「ベイカー街の亡霊」編
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「コナンくーん!」
「……ん?」
コナンはふいに自分の名前を呼ばれて振り返ると、僅かに目を見開く。
「あれ、名前お姉さんと快斗お兄さんも来てる!」
そう言いながら自分達に近寄って来るのは、歩美達少年探偵団の一同だった。
card.317
「あら…」
「オメーら、よく参加出来たな…」
名前と快斗は、しっかりと参加バッジを胸につけている光彦達の姿に驚いたように呟く。
「いやぁ…ここにたどり着くまで苦労したぜ!」
「何だかんだ言っても、コナン君たちもゲームがしたかったんですね」
「ま……まぁな」
コナンは、頬を掻きながら曖昧に答える。
「でも僕たち今は催眠状態なのに…そんな感じしませんね」
光彦は自分の手を見つめながら呟く。
「夢みたい!自由に動き回れるなんて…」
「……その逆よ、」
「……え?」
歩美の嬉しそうな言葉を、灰原がサラリと否定する。
「…自由どころか、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚…すべてをコンピューターに支配されているのよ」
灰原の台詞に、歩美達は僅かに眉をよせて目を見合わせる。
「……そう考えると、確かに怖いわね」
名前は灰原の言葉を聞いて、催眠状態で快斗に最初に会った時の違和感を思い出しながら、ポツリと呟いた。
『さぁ、コクーン初体験のみんな!ゲームの始まりだよ!僕の名前は、ノアズ・アーク!よろしくね!』
「「「よろしくーっ!」」」
ふいに頭上からアナウンスが響きはじめ、参加者の子供達は楽しそうに笑顔で返事を返す。
「……ノアズ・アーク?」
名前は、自分の名をそう名乗った声しか聞こえない目に見えぬ相手に首を傾げる。
「名前どうした?」
快斗は、不思議そうに名前の顔を覗きこむ。
「快斗…ノアズ・アークって聞いた事ない?」
「ん?ああ…確か2年くらい前にニュースでやってなかったか?天才少年が、人工頭脳を作り上げたとかいって…」
「……人工頭脳」
名前は、何となく聞き覚えのあった単語に違和感を覚えたが、快斗の話を聞いて数年前に世間を賑わしたニュースを朧げに思い出す。
「…ヒロキ君だったかしら?」
「え…?」
「その"天才少年″…」
首を傾げる快斗に、名前は何かを考えるように顎に手を当てたままポツリと返す。
「ああ…名前は、はっきりとは覚えてねぇけど。そんな名前だったか?」
「…ええ、確か最期は飛び降りてしまったのよね」
名前と快斗は、何となくそこで言葉を切る。
「…………。」
(ヒロキ君が作ったノアズ・アーク………今回の殺人事件と何か関係あるのかしら)
名前が、ぼんやりと考え込むなか"ノアズ・アーク″は、ゲームの説明を続けていく。
『今から5つのステージのデモ映像を流すから、自分が遊びたい世界を選んでほしい…でも、1つだけ注意しておくよ。』
「…注意?」
快斗が小さく首を傾げる。
『これは単純なゲームじゃない…君達の命がかかったゲームなんだ…』
「………私達の…命?」
「………。」
名前とコナンは、ピクリと眉を寄せて顔を見合わせる。
『全員がゲームオーバーになっちゃうと、現実世界には戻れなくなっちゃうんだ…だから真剣にゲームをしなきゃね!たった1人でも、ゴールにたどり着けば君達の勝ちだ』
「…………。」
現実世界でその言葉を聞いている優作や目暮達も、思わぬ展開に顔を見合わせる。
『それまでの間にゲームオーバーになっちゃった子も、みんな目覚めて現実世界に帰る事が出来る。これが僕の決めたルール、理解してくれた?』
----ザワザワ
ノアズ・アークの説明に、子供達やコクーンの中で眠る我が子を見守る親達は不安気に言葉を交わす。
「……話のネタにと参加してみたけど…予想外の展開ね」
「ええ…」
焦りも見せずに、呆れたように呟く灰原に名前も苦笑しながら頷く。
『全員がゲームオーバーになっちゃった時は、特殊な電磁波を流して君達の頭を破壊しちゃうからね……つまり、日本のリセットを賭けた勝負と言うわけさ…』