「ベイカー街の亡霊」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
card.316
『我が名はノアズ・アーク!ゲームはもう止められない…体感シミュレーションゲーム「コクーン」は、ボクが占領した……』
---ザワザワ…
突然会場に響く放送に、コクーンに入った自分の子供達を席に座って見守っていた保護者のパーティー参加者達は、ザワザワとザワめきあう。
「な…何です?ノアズ・アークって…?」
「確か…1年で人間の5年分成長する人工頭脳ですね…」
白鳥の質問に、優作がチラリとシンドラーを見ながら答える。
「……そうだ。2年前、私が息子同然に可愛がっていたヒロキが完成させた。……たがら今はヒロキと同じ年齢だ」
シンドラーはタラリと額に汗を浮かべながら呟く。
「……ノアズ・アーク…子供達のゲームを占拠してどうするつもりなんだ?」
優作はスピーカーを通してノアズ・アークに語りかける。
『我が目的は………日本という国のリセットだ!』
「!?」
「!!」
------
----
---
-
---ブゥゥ…ン
「!?」
その頃コクーンの参加者である子供達は、現実では催眠状態となっているはずが、気が付くと何もない広場のような場所に立っていた。
「………快斗?」
名前は、足元にいる子供達に視線を向けながらキョロキョロと快斗の姿を探す。
---ポンッ
「…名前ちゃん!」
「快斗……」
キョロキョロとしていたところを、後ろから肩を叩かれて振り返ると、そこには笑顔の快斗の姿があり、名前は小さく安堵の息をつく。
「何だよ、どうした?」
珍しく不安気な名前の表情に、快斗は優しく声をかける。
「……本当に本物みたいなのね」
名前はそれには答えずに、スッと快斗の頬に触れながら呟く。
「ん?ああ…催眠状態の割にはしっかりした感覚があるな」
快斗は、自分の頬に触れる名前の手を握り返しながら頷く。
「……名前?」
快斗と会話しているところに足元から声をかけられ視線をうつすと、そこにはコナンの姿。
「新一?」
「何だよ、名探偵…結局オメーも参加したのかよ」
「………ああ」
快斗の問いに、コナンは神妙な面持ちで小さく頷く。
「?」
「何かあったの?」
名前と快斗は、そんなコナンの姿に目を見合わせて首を傾げる。
「殺人事件がおきた…」
「!?」
「………被害者は?」
快斗は、スッと真剣な表情になって尋ねる。
「このコクーン開発責任者である樫村さんだ…」
「……樫村?」
「ほら、あの時子供達を注意してくれた人よ」
名前と快斗は、ほんの少しだがパーティー会場で樫村と会話したのを思い出す。
「でも…それだったら、尚更ゲームなんかしてないで現場にいた方が良いんじゃないの?」
名前は、なぜかゲームに参加しているコナンに不思議そうに尋ねる。
「……ダイイング・メッセージにJTRの文字があった」
「…JTR?」
「何だよ、それ?」
「お前らも聞いてただろ?このゲームの舞台の1つに"100年前の19世紀のロンドン″があるって…」
「ああ…そんなこと言ってたな」
「え?じゃあ、まさかJTRって…」
阿笠との会話を思い出して頷く快斗の横で、名前は小さく目を見開く。
「何なわけ?JTRって」
快斗は、不思議そうに名前に尋ねる。
「……JTRが19世紀のロンドンと繋がる言葉だとしたら…おそらく"Jack The Ripper″」
「あの…殺人鬼の?」
快斗もJack The Ripperの言葉には聞き覚えがあったのか、目を見開く。
「ああ…おそらく、このゲームに犯人のヒントがあるんだろうな」
コナンの言葉に、名前は小さくため息をつく。
「やっぱり……何か起きるのね」
「ま、仕方ねーな」
単純にゲームを楽しむわけにもいかなくなった名前と快斗は、ため息をつきながら呟いた。