「ベイカー街の亡霊」編
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---タタタタ!バンッ!
「警部殿っ!!」
小五郎は勢いよく樫村ルームと書かれた扉を開ける。
「おお、毛利君か…君も来ていたのか」
現場を確認していた目暮は、小五郎を見て声をかける。
「バルコニーで酔いを醒ましていたら、パトカーが見えたもので……彼はコクーンの開発責任者の…。」
小五郎は、鑑識に囲まれた死体に目を向けながらそう答える。
「心臓をひと突きだ…凶器は持ち去っている」
「………。」
目暮の言葉を聞きながら、小五郎と一緒にしつないに入ってきたコナンは、現場の床に落ちている数枚の血液のついたティッシュペーパー見つめる。
(血を拭っている。よほど大切な凶器なのか、残しておくと持ち主がわかってしまうような凶器だったのか?)
「ん?」
会話する目暮達の足元で室内を確認していたコナンは、ふとパソコンのキーボードを見て小さく目を見開く。
(…RとTとJに血の跡がついている!?)
「それにしても…開発責任者の彼が、なぜこのような地下室で?」
「はい…主任は人の出入りが頻繁なところは集中出来ないからと、1人でここへ。あの、実は不可解な事が1つありまして…ハードディスクのデータが全て破壊されているんです」
発見者であるスタッフは、殺人現場の雰囲気に戸惑いながらも口を開く。
「データが!?」
「まさか、ライバル会社の破壊工作なんじゃ?」
「…それにしては遅いんじゃない?だって、コクーンはもう完成しちゃってるんだし…」
スタッフの言葉を聞いて、白鳥や小五郎はライバル会社の関与を疑うが、そんな小五郎達の足元でその意見を否定する声が響く。
「こいつ!?いつの間に!」
コナンの存在に気がついた小五郎は、いつもの如くコナンをつまみ出そうとするが、小五郎の手をヒョイッと避けながらコナンは更に言葉を続ける。
「ねぇ、机のキーボード!ダイイング・メッセージじゃない?」
「「「何っ!?」」」
その言葉に、目暮達は慌てて机に近付いてキーボードを確認する。
「キーボードに血が!?死の間際に押したようですね!」
「…R、T…J…?」
「うーむ、JR…JTだと…電車と煙草だが…」
「………。」
小五郎達が、3つのアルファベットを組み合わせて口々に言葉の意味を考えるなか、コナンは黙ったまま考えを巡らす。
(………RTJ、TJR…TRJ…JTR…JRT…?)
「!?」
(百年前のロンドン…まさかっ!?)
---ダッ!
「お…おい!?」
「お前どこに…!?」
コナンは、頭の中に浮かび上がった1つの単語に息を飲むと、目暮達の制止も聞かずに勢いよく部屋から飛び出して行った。