「ベイカー街の亡霊」編
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---カッ!!
明かりの消えた会場だったが、ふいにステージがまばゆいスポットライトに照らされる。
『…それでは次世代ゲーム機コクーンをご覧いただきましょう!』
card.308
『……このカプセルは人間の五感を司り、触覚も痛みも匂いも…全ての感覚が現実のような世界にプレイヤーは置かれます…』
舞台では、実際にアシスタントの女性がコクーンの中に実際に入り、司会者の説明に合わせて操作手順を招待客に示している。
『……電気的に中枢神経に働きかけるシステムが用いられ、身体に害はまったくありません。』
「見てるだけじゃつまんねぇよな」
「そうですね…ゲームはやっぱりやるもんですよ」
元太達は、そんな舞台を見つめながらも不満気にため息をつく。
「……それでは、退屈しのぎにクイズといこう!」
「え?」
歩美達がくるりと振り返ると、そこには満面の笑みを浮かべる阿笠の姿。
「また始まりますよ…博士の駄洒落クイズ…」
「………逃げるか?」
「きっと一生懸命考えたんだから、聞いてあげようよ…」
光彦達は、いつもの駄洒落クイズが始まる…と眉をよせるが、楽しそうな笑顔を向ける阿笠を前に、仕方なくクイズに付き合う姿勢を見せる。
「あのじいさんクイズが好きなの?」
「ふふ…いつも光彦君達のために、駄洒落のクイズを考えてくるのよ。快斗も聞いてくれば?」
歩美達と少し離れた場所で、名前と快斗は阿笠達の様子を見ながら苦笑している。
「俺は遠慮しとく……やっぱり名前ちゃんと一緒にいるのが一番良いよ、俺は」
「何よ…急に?」
名前は、急に肩が触れ合うくらいの距離に近付いて耳元で囁く快斗に目を丸くする。
「だってさー、ここ名前ちゃんの知り合いばっかりだし…名探偵からの視線は痛いし?俺すげぇ肩身狭いんだけど」
「……そうなの?無理させてごめんね」
名前は苦笑しながら首を傾げる。元々、人当たりもよく誰とでも打ち解けるのが早いため、快斗がそんなに気を使っていたことに気付かなかった。
「……でも私は、快斗と一緒に蘭達がいるこういう場所に来られるの凄い嬉しいわ」
「え…?」
名前は、チラリと蘭や小五郎達に視線を向けながら言葉を続ける。
「今までは…みんなに快斗のこと秘密にしてたけど、快斗をきちんと紹介出来るのってやっぱり嬉しいなーって思って」
名前は、そう言いながらスルリと快斗の腕に自分の手をまわす。
「……"快斗″の事を、みんなに紹介出来ないなんて…やっぱりもったいないもの」
「!!」
快斗は名前の言葉に目を見開いらいた後、右手で軽く頬を掻いてて視線をさ迷わせる。
「………ね、名前ちゃん」
「何?」
「…チューしても良い?」
「……はあ?」
「……いや、もう…名前ちゃんが可愛くて…我慢出来ない」
「………馬鹿じゃないの」
せっかく良い雰囲気で寄り添っていた二人だったが、快斗のその一言を聞いた名前は呆れたように小さくため息をついて、快斗の身体を肘で押し返した。