「ベイカー街の亡霊」編
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『皆さま…ステージにご注目ください。ただいまコクーンのゲームステージのためにアイディアを提供していただいた、工藤優作先生がアメリカからご到着です!』
---パチパチパチ…
司会者の紹介とともに、壇上には新一の父優作が登場する。
「………。」
壇上でニコやかに手を振る優作の姿を、コナンは小さく微笑んで見つめていた。
card.306
「………へぇ」
(あれが名探偵の…)
快斗は壇上でインタビューに答える優作を見つめて小さく声をあげる。そして名前に声をかけようと横にいる名前に目を向けると、名前は驚いたように目を見開いてコナンに声をかけようとしているところだった。
「ちょ…っと!!新一…優作さんが来るなら事前に教えてよ!」
「?」
そう言いながら、コナンに小声で詰め寄る名前を見た快斗は不思議そうに首を傾げる。
「しゃーねーだろ?俺だって今日聞いたばっかりなんだよ」
「じゃあ博士は?一緒にゲームの作成手伝ってたんでしょ?教えてくれれば良かったのに!」
「……すまんのぉ」
優作とともにコクーンのプログラムの最終段階を手伝った阿笠に向かって、名前はため息をつきながら声をかけると、阿笠は頭を掻きながら名前に頭を下げる。
「あ……いや、私もムキになってごめんなさい。この後、優作さんと少し話せる時間あるかしら?」
名前は申し訳なさそうにしている阿笠の姿を見て冷静さを取り戻したようで、阿笠に謝りながら優作をそわそわした様子で見つめる。
「一応ゲストだからな…まぁ、父さんの事だから時間がなくてもお前のとこには顔見せるだろ」
コナンの言葉に名前は少し安堵したような表情を見せると、くるりと隣の快斗に声をかける。
「快斗!私ちょっと…もう少しステージの近くで優作さんのスピーチ聞いてくるわ」
「……あ、ああ」
戸惑う快斗を尻目に、名前はスタスタとステージに向かってしまう。
「……何なの?あいつ」
快斗は離れていく名前を見送りながら、コナンと阿笠に向かって呆然と尋ねる。
「ん?ああ……」
コナンは、自分に向かって快斗が普通に話し掛けてきた事に僅かに驚きながらも、快斗に問いに答える。
「……あいつにとったら、俺の父さんと母さんが自分の親代わりみたいなもんだからな」
「名前君…優作君と有希子君のこと大好きだからのぉ…」
「まぁ、ガキの頃は父さん達…名前の事を溺愛してたからな」
懐かしそうに話すコナンと阿笠の言葉に、快斗はいまいちピンとこないため首を傾げる。
「……親代わり?」
「…………オメー、何にも聞いてねーのかよ?」
首を傾げる快斗の姿に、コナンは意外そうに目を見開いて尋ねる。
「え?」
「まぁ……名前君は、昔からあんまり家族の事を話したがらないからのぉ…」
「………。」
「ま…そういう事だ。知りたかったら、名前に聞くんだな」
何も話すつもりのなさそうなコナンの態度に、快斗は小さくため息をつくと、優作のスピーチをジッと見つめている名前の背中に目を向けた。