「ベイカー街の亡霊」編
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「おほーっ!!人がいっぱい!酒もいっぱい!」
パーティーの開始時刻が近付くと、会場には様々な料理やドリンクが並び始め、小五郎が嬉しそうにグビグビと酒に口をつける。
「お父さん!警察の偉い人も来てるみたいだし、あんまり飲み過ぎないようにね…」
蘭は見兼ねて小声で小五郎に声をかけるが、小五郎は陽気な表情で答える。
「わーってるって!高い酒は、悪酔いしないんだよ!!」
「………。」
(そーいう問題じゃねーだろ)
コナン達は、そんな小五郎に呆れたような視線を向けた。
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「なぁ!!ここって食い放題だよな!?ラッキー!」
いつもの如く、元太は嬉しそうに数々の料理を見つめる。しかしそんな元太の後ろで、歩美が落ち込んだような声をだす。
「…元太君、ラッキーなのはあの子たちのほうよ」
「え?」
歩美の言葉を聞いて元太達が歩美の視線を辿っていくと、たくさんの子供達が会場の中心に集まっている。
「……ゲーム参加のバッジを貰っているところを見ると、噂のゲームに選ばれた子供達のようですね」
光彦の子供に続いて小五郎が口を開く。
「警視副総監の孫、財界実力者の孫…政治家の息子。日本の将来を背負って立つ二世三世が勢揃いってわけだ…」
「…まるで、悪しき日本の世襲制が凝縮された光景ね」
「……へ?」
自分の言葉に続いて呟かれた灰原の子供らしからぬ台詞に、小五郎は驚いたように小さな声を出すが、灰原は構わずに言葉を続ける。
「こうした世襲制と共に、人間の過ちと歴史が繰り返されるわけよ」
「………哀ちゃん、何言ってるのか分からない」
「らぁーん!!」
歩美が戸惑ったような声をあげて首を傾げる後ろで、ふいに蘭を呼ぶ声が響く。
「あ…園子!」
蘭が灰原から園子に視線を移している隙に、コナンが灰原に近寄り耳打ちする。
「オメーな、もっと子供らしい言葉で喋れって!」
「……いつものあなたみたいな恥ずかしい演技…私にはとても出来ないわ」
「…俺のどこが恥ずかしいんだよ!?」
コナンは小さくため息をついて、ジト目で灰原を見る。
「あー!園子お姉さん、そのバッジ!」
コナンが灰原とそんな会話をしている間に、歩美は園子の胸についたバッジを見て声をあげる。
「ああ…これ?」
「もしかして園子もゲームの参加者なの?」
バッジを見た蘭が、目を丸くして尋ねる。
「うん…鈴木財閥がゲーム開発に資金援助した関係で、ちょっとね。」
園子の胸元にはコクーンの形を象ったバッジがキラリと輝いていた。