「ベイカー街の亡霊」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
--東京都米花市
------米花シティホール
「ここ、米花シティホールでは日本のメーカーがシンドラー・感じをと共同開発した体感シミュレーションゲームである"コクーン″が、華々しくプレミアを迎えようとしています」
米花シティホールの前では、いくつもの取材陣がホールを背に中継が行っている。
---ブロロロ…
「あ、今シンドラー・カンパニーのシンドラー社長が到着しました!」
アナウンサーの言葉とともに、無数のフラッシュに包まれてトマス・シンドラーがホールに現れた。
card.302
-----
---
--
-
「おい、見てみろよ!」
パーティー会場にはコナンを筆頭にいつものメンバーが到着しており、元太が指さした会場のステージには繭型のカプセルがいくつも並んでいる。
「あれがコクーンですよ!」
「いいなぁー!私も新しいゲームやってみたい!」
羨ましそうにそんな声をあげる歩美の横で、光彦は小さくため息をついて首を振る。
「無理ですよ…コクーンの体験者は、選ばれし50人の子供達!官僚や医者を親に持つ子供が多いという話ですよ。それにコクーンの参加者は、その証にパーティーでバッジ貰えるはずです」
「なぁんだ…」
光彦の説明に元太と歩美はガクリと肩を落とす。
「それにしても、技術の進歩は凄いわね。カプセルの中に入って催眠状態の中で音声認識システムを持つゲームと対話しながら、バーチャルリアリティの世界で遊ぶ……ゲームと言えども、興味深いわ。」
「ああ…しかもバーチャルリアリティのステージも5種類用意されてるらしいからな」
灰原とコナンは、ステージ上のコクーンを見つめながら阿笠の足元で冷静に会話している。
「蘭、園子!」
そんなコナン達の後ろから蘭達の名前を呼ぶ声がして振り返ると、そこには名前と快斗の姿。
2人はパーティーに呼ばれたと言うだけあり、快斗は黒いスーツを、名前はシンプルながらも上品なワンピースを身に纏っている。
「名前、遅かったじゃない」
「黒羽君も久しぶり!」
蘭達と会話していると、ふいに快斗の足元から明るい声が響く。
「あー!快斗お兄さんだ!こんにちは!」
「よぉ、久しぶり。オメーら…相変わらず元気だな」
快斗は、歩美達に小さく手を上げて微笑む。快斗は元来の性格と、名前が入院中に暇つぶしにと探偵団の子供達に手品を披露した影響ですっかり子供達に懐かれている。
「お兄さん!今日も手品見たーい!」
「なんかやってくれよ!」
会場に着くなり歩美達にせがまれ、快斗は困ったような表情を浮かべて隣にいる名前と顔を見合わせる。
「悪ぃな…今日はちょっと出来ねぇんだ」
「えー!?」
「なんでですか!?」
快斗の返事に、不満気に声を上げる光彦達。
「……ごめんね、みんな。快斗ちょっと怪我してるのよ」
名前は、その姿に見兼ねて歩美達に声をかける。
「えっ!?そうなんだ…それじゃ仕方ないね。快斗お兄さん大丈夫ー?」
「ああ、今日は遊んでやれなくて悪いな」
歩美達は残念そうにため息をつつきながらも、「また今度見せてね!」と、笑顔でそう言って、名前達の元から少し離れ蘭達と楽しそうにゲームの話を始める。
「……怪我って何だよ?」
歩美達が離れて行った後、コナンがポケットに突っ込まれたままの快斗の左腕をチラリと見て名前に声をかける。
「………。」
(…快斗に直接は聞かないのね)
名前の隣に快斗がいるというのに、わざわざ名前に聞いてくる新一の態度に苦笑しながら、名前は周りに聞こえないように小声で口を開く。
「この間、飛行機の中で左腕ぶつけたでしょ?」
「ああ…」
「あの後ずっと痛かったみたいなのに、無理して歩美ちゃん達にいろいろ手品見せたり…しかも体育の授業に出たりしたのよ。それで余計に悪化しちゃってね。今はほとんど力が入らないんだって」
痛む腕のことを隠して体育まで普通に参加していた快斗に不満がある
名前は、少し嫌みっぽくそう説明する。
「ああ…それでオメー最近大人しいのか」
ここ最近、"怪盗キッド"が現れていないと思っていたコナンは、呆れたように快斗に向かって呟く。
「うるせー、仕方ねぇだろ」
名前からは軽く睨まれ、コナンからも痛いところをつかれてしまい、快斗は気まずそうにふいっとコナン達から視線を逸らしたのだった。