「手負いの探偵団」・対面編
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快斗と病室でアイスを食べたりして、のんびり過ごすこと30分。コンコンと病室の扉がノックされ、入って来たのは学校帰りの灰原とコナンだった。
「………。」
(…気まずいわ)
コナンと灰原を迎え入れてから数分たっただろうか。左を見ても、右を見ても誰も口を開かない。そんな中名前が気になっていることは、今の気まずい沈黙だけではなく自分の隣でニヤリと口角を上げている快斗の存在。
(……なぜか快斗が1人だけニヤニヤしてる。変な事考えてないと良いけど)
名前は快斗がいつもの調子で何か変な事を言い出さないかとそわそわしたまま状況を見守っていた。
card.296
名前の心配を尻目に、やはり快斗が一番に口を開く。
「まずは、"小学校″お疲れ様。"コナン君″?」
ニヤリと笑いながら快斗が発した言葉に、コナンはピクリと眉をよせる。
「テメーは、俺の事を舐めてんのか?」
「そんな事ねーよ。名前の"大事な幼なじみ″みたいだし?俺とも仲良くしてくれよな、コナン君?」
「馴れ馴れしく、"コナン君″って呼ぶんじゃねーっ!」
「……はあ。」
快斗が一方的にコナンをおちょくっている状況を、名前と灰原はため息をつきながら呆れたように見つめている。
「良いじゃねーか?哀ちゃんとはもう仲良くなったぜ、俺」
「……"仲良く″なったつもりはないわ」
灰原の小さな呟きを尻目に、コナンはますます苛々したように言葉を返す。
「そういや…オメー!!この間は言う暇なかったけど、何だよ!?"哀ちゃん″って!!」
「ハハッ、何だよ、名探偵。嫉妬か?」
「テメーッ!!いい加減にしやがれっ!!」
「……ちょっと工藤君、そんな話をしに来たわけじゃないでしょ?」
「快斗、いい加減にして」
このままでは一触即発になりそうな2人(主に怒っているのはコナンだけ)を、それぞれの隣に座る名前と灰原が制止する。
「ったく!!何でこんなふざけた野郎が良いんだか…本当に理解に苦しむぜ…」
「………。」
灰原に制止されたコナンは小さな舌打ちして呟きながらも、大きくため息をついてから椅子に座り直す。名前は、そんなコナンの呟きを聞き流してふいっと視線をそらす。
「でもよー名探偵。真面目な話、オメーこの間言ったじゃねーか」
「何だよ?」
「……"言える事は全部言った。名前の答えに任せる″って」
「……?」
名前は自分の知らない話が始まったために、黙ったまま二人の会話に耳を傾ける。
「……オメーは、納得いかねぇかも知れねーが…名前はもう"答え″を出したんだぜ?これ以上、何を話すことがあるんだよ」
「………ッチ」
「あら…言いたい事、言われちゃったわね。工藤君」
快斗の質問に黙り込んでしまったコナンの横で、灰原がクスクスと笑い出す。
「うるせーよ」
そんな灰原をジロリと睨んだあとに、コナンは諦めたように小さくため息をつく。
「え?じゃあ新一…」
灰原とコナンの言葉と、その雰囲気に名前は思わず目を丸くする。
「ああ。もう俺はお前らの事に口は出さねーよ」
「!?」
「……ただ、あの言葉だけはこれからも有効だ」
「……あの言葉?」
快斗と名前は、チラリと顔を見合わせながら首を傾げる。
「……俺は、お前を必ず"現行犯″で捕まえる。"怪盗″してのオメーには、これからも容赦しねーぞ」
「………新一!」
名前は、コナンの言葉を聞いて嬉しそうに笑顔を浮かべる。そんな名前の横顔を見て、快斗は安心したように小さく息をつく。
「オメーが、名前の事を大事に思ってんのは本当みてーだかはな」
そんな二人を尻目に、コナンは相変わらず不服そうに顔をしかめながらそう呟くと、ふいっと視線を逸らす。
「ありがとう…新一」
「ああ…俺はオメーが、無事に別れるのを祈ってるよ」
「おいおい…それ、日本語としておかしくねーか!?別れねーからな!!」
「わからねーだろ?世の中には、犯罪者のお前よりも断然良い男で溢れてるんだぜ?」
「うるせー!!」
快斗に対しては、いつもの様に辛辣な態度をとるコナン。しかし、正義感に溢れる新一が条件付きとは言え、自分たちを認めてくれたことに、名前は心から感謝して、コナンと快斗のやり取りを見つめていた。