「手負いの探偵団」・対面編
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「お…おいっ!?名前っ!?」
コナンは、大きく目を見開きながら名前に声をかける。
「…ハァ…だ、大丈夫よ。それより…そんなに…ハァ…大声出すと、見つかっちゃうわよ」
今の状況を忘れて、我を忘れたように大声を出すコナン。そんなコナンを見た名前は、痛む脇腹を押さえながら無理矢理笑みを浮かべた。
card.286
「名前さん!さっき撃たれたんですか?」
「大丈夫かよっ!?」
「ど、どうしよう!歩美達を庇ったせいで…」
---ポンポン
涙を浮かべる歩美の頭を、名前は血のついていない左手で撫でながら声をかける。
「ハァ…みんなのせいじゃないわ…それより……ハァ…今は彼等に見つからずに…逃げる事を考えないと…ね、コナン君?」
「名前お姉さん…」
名前は歩美達にそう声をかけたあと、黙ったままのコナンに視線を向ける。
「あ…ああ、分かってる」
幼なじみで、自分にとって家族のように大事な存在である名前。その名前が撃たれた事で珍しく動揺していたコナンだったが、名前がまだ笑みを浮かべて会話が出来る状態であるのを確認した事で、少し冷静さを取り戻す。そして、自分に視線を向けた名前に向かって真剣な面持ちで頷く。
「とにかく…俺が何か考えるから、お前は身体を休めてろ!!この状況じゃ、この後お前には自分で歩いてもらわないとならねー」
名前以外には子供の身体である自分と歩美達しかいない状況に眉を寄せながら、小声で名前に耳打ちする。
「分かってる…悪いわね、頼むわよ」
名前は小さく頷くと、大きく息を吐いて岩にもたれて目を閉じる。
「………。」
(今のところ、まだ喋る事は出来るが…急がねぇと、やべぇな)
コナンはチラリと名前の様子と腹部に広がる出血量を確認しながら、頭をフル回転させて打開策を考えていく。
(……新一がいれば、子供達の事は大丈夫だと思うけど…私、この後…歩けるかしら)
名前も腹部の痛みに耐えながら、ぼんやりと今の状況を整理する。この場には、自分を支えたり背負ってもらえるような相手がいない。拳銃を持った男三人を相手に、子供たちを連れて逃げ切ることが出来るだろうか。
--何か嫌な予感がすんだけど、明日のキャンプ大丈夫かよ?--
(快斗の言う事、もっとちゃんと聞くんだったわ)
ふいに自分の事を心配そうに見つめる快斗の顔が脳裏に浮かび、名前は額に汗を浮かべながらも小さく苦笑する。
(……そういえば、結局まだ快斗に連絡してないな)
名前は、ふと連絡を返していない事を思い出してポケット携帯を取り出し目を向ける。
(圏外か……)
名前はため息をついて携帯をポケットに戻すと、再び痛みを誤魔化すように目を固く閉じる。
意識が薄らいでいる名前の耳には、コナンが真剣な声で光彦達に指示を出す声が所々聞こえてきた。