「手負いの探偵団」・対面編
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card.284
「よーしっ!テント完成じゃっ!」
「博士、もう手慣れてるわね」
キャンプ場について、まずはテントを張るのを手伝っていた名前だが、阿笠主導によりあっという間にテントは完成した。
「ははは…もう何度来たか分からんからな」
「ふふ、博士も大変ね」
(さて、テントも出来て荷物も下ろしたし、そろそろ快斗に返事を返さなくっちゃ)
「さてと。ワシと哀君は釜戸を作るから、君らはその辺の森から薪になる枝を拾って来てくれ!」
「はーい!!」
「よーし、出発!!」
「あ、コラ!オメーら、勝手に行くんじゃねえ!!」
阿笠の言葉に子供達は元気に返事をして走り出す。そんな子供達をコナンが慌てて追いかけるのを見た名前は、ポケットから取り出しかけた携帯を引っ込めて慌ててコナンの後を追う。
「…私も哀と一緒に、釜戸と料理作りが良いんだけど」
「バーロー!!あいつらキャンプでテンション上がってんだから、あいつらの相手するの手伝えよ!何かあったら危ねーだろ」
「……はーい」
(仕方ない、薪拾いが終わって落ち着いたらメールしよう)
名前はコナンと並んで子供たちの後を追いながら、なかなかゆっくり返事を返せない状況にため息をついた。
「今夜は、バーベキュー♪バーベキュー♪」
鼻歌を歌いながら、元太はせっせと枝を拾い続ける。
「元太君!これだけ集まったし、そろそろ良いんじゃないかしら?」
「おお、そうだな。お前ら戻るぞ」
名前とコナンは、それぞれが抱える枝の量を確認して歩美達に声をかける。
「ちょっと!ちょっと!皆さん来てください!!」
テントに戻ろうとする名前達に、光彦が少し離れた所から声をかける。
「んー、どうした?」
コナン達は首を傾げながら光彦の元へ向かう。
「…あら、鍾乳洞ね」
「"入るな危険″って、看板に書いてあるよ」
光彦は"入るな危険″と、立て札が立てられた鍾乳洞の前に立っていた。
「皆さん…注目するのはこの石ですよ!」
光彦は、目を輝かせながら鍾乳洞の脇に立てられた石碑を指さす。
「石碑?」
「"龍の道に歩を進めよ…さすれば至福の光が汝を照らさん″…?」
「他の字はすり減っちまってて読めねーな」
名前とコナンは、石碑に書かれた文字を見つめて呟く。
「……至福の光!?」
「それって…もしかして!!」
「「「お宝かもっ!!」」」
目を輝かせた歩美達は鍾乳洞の入り口に薪を置いて、どんどん鍾乳洞の中に入っていく。
「ハハハ…また"お宝"かよ」
「そんな感じはしてたけど、この鍾乳洞入っても大丈夫かしら?」
名前とコナンは、相変わらず怖いもの知らずの歩美たちの後を追って鍾乳洞に入っていく。
「ちょっと、みんな!」
「お前ら!!あんまり奥まで行くと危ねーぞ」
「いーだろ?ちょっと探検するだけなんだから!」
コナン達の制止をサラリと流し、元太達は腕時計型ライトをつけながらズンズンと奥へ進んで行く。
「でっけー洞窟だなっ」
「中はこんなに広いんだねっ!!」
楽しそうに前を歩く歩美達の後ろで、名前はスッしゃがみこむ。
「おい、どうした?」
「……新一、これ」
隣に立つコナンが首を傾げながら名前に声をかけると、名前は拾い上げた何かをコナンに手渡す。
「煙草のフィルター?まだ湿ってるな」
「私達の他に誰かいるのかしら…?」
名前は眉をよせて鍾乳洞の奥を見つめた。
----テント
「遅いのー、どこまで薪を拾いに行ったんじゃ?」
阿笠は料理の手を止めて、キョロキョロと辺りを見渡す。
「森の中でも探検してるんじゃない?好奇心旺盛な探偵さんが引率者だし」
灰原は、トントンと玉葱を切りながらそう返す。
「大丈夫かのー?」
「大丈夫じゃない?今日は工藤君だけじゃなくて、名前もいるんだし。それより、博士!あの子達が戻って来る前に料理の下準備終わらせておかないと、日が暮れちゃうわよ」
「あ、そうじゃの…」
阿笠は少し周りを気にしながらも、灰原の言葉に慌てて料理の準備を再開した。