「手負いの探偵団」・対面編
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ほとんど生徒がいなくなった放課後の校舎は、昼間の賑やかさから一転して静まりかえっている。校庭からは、運動部のかけ声が響いていて、廊下の壁は窓から差し込むオレンジ色の夕焼けに染まりはじめる。
「それじゃ、お前ら気をつけて帰れよ」
結局あの後も、アレコレ雑談していてすっかり帰りが遅くなった快斗と名前。夕焼けに照らされた廊下に出ると、中村が念を押すようにそう声をかける。
「大丈夫だよ、中村ちゃん。名前には俺がいるんだから!」
「……気をつけて帰ります」
「ああ、そうしてくれ」
相変わらずの快斗の調子に、名前は小さく息をつきながら中村にペコリと頭を下げて言葉を返す。
「先生さようなら」
「またな、中村ちゃん!」
そして中村に挨拶を告げると、二人は仲が良さそうに何やら話しながら、中村に背を向けて歩き出す。そんな二人の姿を、中村は苦笑しながら見送るが、ふと思い付いてその背中に向かって声をかける。
「ああ、そうだ名字…」
中村に呼び止められて、名前は
不思議こうに振り返る。
「何ですか?」
「キャンプ、気をつけてな」
「え?あ、はい。ありがとうございます」
名前は中村の言葉に僅かに目を見開いた後に頷きながら答えると、隣の快斗にジト目を向ける。
「快斗ったら、先生にキャンプの話までしたの?」
「仕方ねぇだろ!?俺は本気で心配してるんだぜ!」
「もぉー、先生まで巻き込んで!恥ずかしいんだからやめてよ」
再び背を向けて歩き出した二人からそんな会話を聞こえてきて、中村は思わず小さく吹き出した。
card.283
---ブロロロ…
「「「百年ぶりの~♪♪世紀末~♪泣けといわれーて~♪♪僕は笑ーった♪」」」
キャンプに向かう車内では、子供達は元気よく歌を歌っている。
「ふふ……ん?」
そんな子供達の様子を微笑んで見つめていた名前は、ポケットで携帯が震えているのに気付いて、携帯を取り出す。
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To:名字名前
from:黒羽快斗
名前キャンプ場ついたか?
ついたら連絡して
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「…………。」
(こんなメールが来るなんて珍しいわね)
名前は、快斗からのメールを見て小さく目を見開く。普段から連絡をこまめに取り合う二人ではないし、休日でも会わない日は、お互いの用事にそこまで干渉することもない。
「……大丈夫だと思うんだけどな」
快斗が、昨日見た"夢″の事を気にしていたのは知っているが、こんな風にわざわざ連絡をしてくるほど気にしていたとは思わなかった。
(とりあえず、快斗の言うようにキャンプ場について、落ち着いたらメールしようかしら)
名前は、そう思いながら小さく微笑んで携帯をしまった。