導入編(オリジナル)
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card.28
「おかしな点とは、何の事だね?」
「まずはこのテーブルです」
名前はチラリと被害者が伏せて倒れているテーブルに視線を向けながら答える。館長は、椅子に座りテーブルに突っ伏した状態で事切れている。テーブルの上には、先程小五郎が説明したように、館長の物だと思われる心臓病の薬が入ったピルケースが倒れていて、そのまわりには零れた錠剤が散らばっている。
「この人、口から涎を垂らして伏せているのに、このテーブルにはその汚れが何もないですよね」
「……確かに」
目暮が名前の話を聞きながら、館長が伏せているテーブルを確認して、目を見開きながら小さく頷く。
「つまり、この人が亡くなった時はテーブルにに伏せた状態じゃなかったという事じゃな?」
そんな目暮のそばで、同じように状況を確認していた阿笠は眉を寄せながら名前に尋ねる。
自分の伝えたい意図が伝わった事が分かる阿笠の言葉に、名前がニコリと微笑んで小さく頷く。
「おそらく…この人が亡くなったのを確認した後に、犯人が遺体を動かして机に伏せた状態に偽装したのね」
「な、なるほど」
博士の足元にいる哀が呟く。
その言葉に納得したような小五郎を見て、名前は更に説明を続ける。
「それから、もう1点はこの人の手の甲です」
「手の甲?」
館長はテーブルに突っ伏した状態だが、その両手は自分の首もとを掴むようした姿勢で死後硬直している。
小五郎は名前の説明を聞きながら、改めて館長の首もとを覗き込んで首を傾げる。
「自分の首もとを掴んでるように見えるのは、亡くなる時に苦しんだからだろう?他におかしな事なんて…」
「…この人、既に死後硬直が始まっていますよね?手が身体とテーブルに挟まれていたなら、手の甲に挟まれていた跡が残るはず。……それが残っていないのに、この体勢で硬直しているのは不自然だと思います」
「うーむ…確かに、普通だったら机に突っ伏していないと、死後硬直が始まる前に腕がダラっと下がったりするはずだな」
涎によりテーブルが汚れていないということは、亡くなった時はテーブルに突っ伏した姿勢ではなかったということだ。それなのに、両手が首もとにきた状態で死後硬直しているのは不自然となる。小五郎や目暮も、指摘された二点に納得したように再び眉を寄せて考え込んでいる。
「つまり…」
「つまり、誰かが館長さんをこの体勢で縛りつけて薬を飲めない状態にしたって事だよね」
そんな二人の反応を確認しながら、名前が再び口を開いたタイミングで、名前の足元にいたコナンがいつもの得意気な顔で名前が言おうとした言葉を紡いだのだった。
「おかしな点とは、何の事だね?」
「まずはこのテーブルです」
名前はチラリと被害者が伏せて倒れているテーブルに視線を向けながら答える。館長は、椅子に座りテーブルに突っ伏した状態で事切れている。テーブルの上には、先程小五郎が説明したように、館長の物だと思われる心臓病の薬が入ったピルケースが倒れていて、そのまわりには零れた錠剤が散らばっている。
「この人、口から涎を垂らして伏せているのに、このテーブルにはその汚れが何もないですよね」
「……確かに」
目暮が名前の話を聞きながら、館長が伏せているテーブルを確認して、目を見開きながら小さく頷く。
「つまり、この人が亡くなった時はテーブルにに伏せた状態じゃなかったという事じゃな?」
そんな目暮のそばで、同じように状況を確認していた阿笠は眉を寄せながら名前に尋ねる。
自分の伝えたい意図が伝わった事が分かる阿笠の言葉に、名前がニコリと微笑んで小さく頷く。
「おそらく…この人が亡くなったのを確認した後に、犯人が遺体を動かして机に伏せた状態に偽装したのね」
「な、なるほど」
博士の足元にいる哀が呟く。
その言葉に納得したような小五郎を見て、名前は更に説明を続ける。
「それから、もう1点はこの人の手の甲です」
「手の甲?」
館長はテーブルに突っ伏した状態だが、その両手は自分の首もとを掴むようした姿勢で死後硬直している。
小五郎は名前の説明を聞きながら、改めて館長の首もとを覗き込んで首を傾げる。
「自分の首もとを掴んでるように見えるのは、亡くなる時に苦しんだからだろう?他におかしな事なんて…」
「…この人、既に死後硬直が始まっていますよね?手が身体とテーブルに挟まれていたなら、手の甲に挟まれていた跡が残るはず。……それが残っていないのに、この体勢で硬直しているのは不自然だと思います」
「うーむ…確かに、普通だったら机に突っ伏していないと、死後硬直が始まる前に腕がダラっと下がったりするはずだな」
涎によりテーブルが汚れていないということは、亡くなった時はテーブルに突っ伏した姿勢ではなかったということだ。それなのに、両手が首もとにきた状態で死後硬直しているのは不自然となる。小五郎や目暮も、指摘された二点に納得したように再び眉を寄せて考え込んでいる。
「つまり…」
「つまり、誰かが館長さんをこの体勢で縛りつけて薬を飲めない状態にしたって事だよね」
そんな二人の反応を確認しながら、名前が再び口を開いたタイミングで、名前の足元にいたコナンがいつもの得意気な顔で名前が言おうとした言葉を紡いだのだった。