「銀翼の魔術師」編
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card.277
「キッドだ!キッドを捜せ!必ずこの辺りにいるはずだ!よく捜せ!!」
「おい!いたかっ?」
「いません!!」
埠頭にパトカーを停めて、中森を筆頭に目暮や白鳥、高木を含めた警官達が埠頭の周辺でキッドを捜索している。
「本当、綺麗に滑走路が出来たわね」
「俺に出来ねー事はないからな!」
そんな警官達と埠頭に並ぶパトカーを、すぐ側の倉庫の屋根の上から名前とキッドが見下ろしている。
「名前…来たぞ」
キッドが、ふいに真剣な声で視線を空に向ける。
---ゴォォォ!!
名前がキッドが視線を向けた方向を見上げると、そこには自分たちのいる埠頭を目指して、大きな飛行機が高度を下げて真っ直ぐ向かって来るのが見える。
「……大丈夫、よね」
名前は、キッドの服をギュッと掴んで小さく呟く。
「信じよーぜ、名探偵を」
キッドは、名前の肩に腕をまわして名前を優しく抱き寄せる。
「……名探偵だけじゃねえ。名探偵の彼女も、あの財閥のお嬢さんも…あの子達なら大丈夫だ」
「快斗…」
「俺は、さっき短い時間だったけど、あいつらと一緒にいてそう思ったぜ?」
「……うん、そうだね!」
自分の友人を信じてくれる快斗の言葉に、名前は小さく微笑む。そして、自分を抱きしめるキッドの胸元をギュッと握りながら、再び視線を上空に向けて祈るような気持ちで飛行機を見守る。
キッドは名前を抱く腕に更に力を込めると、名前と同じように飛行機に視線を向ける。
(新一…!!お願いっ!!)
『乗客の皆さん、これより当機は緊急着陸をします!!』
その頃、コナンは機内に新庄の声で最後のアナウンスを流す。
『シートベルトをしっかり締めて、乗務員の指示に従ってください!』
「……ペンや眼鏡等を外し、ハイヒール等は座席のポケットに!」
「前に屈んで、足の間に頭を入れてください!!」
1階席客室では、CAが乗客に指示を出していく。
『……いいか?蘭、いよいよ着陸だ!!今の高度と速度は?』
「高度…700フィート、140ノット!」
『よし、そのまま3度の降下率を保つんだ!園子!』
「は、はいっ!?」
突然声をかけられた園子は、驚いて小さく声をあげる。
『着陸脚レバーをおろして、フラップレバーを引け!!』
「…着陸脚レバー?フラップ?」
園子は新一の指示が分からず、キョロキョロと辺りを見回して戸惑ったように声をあげる。
「着陸脚レバーはそれ、…フラップはそこっ!」
「あ…ありがとう、蘭」
そんな園子を見て、蘭は冷静に操作方法を伝える。
---ピー、ピー!
「な…何の音!?」
『…園子どうした!?』
「……新一、もう燃料がないみたい…」
蘭は、画面に表示された文字を見て眉を寄せながら呟く。
『……わかった!やり直しはきかねぇ!!一発で決めるぜっ!』
-----ゴォォォ!!
新一達を乗せた機体は、大きな音をたてながら埠頭へと向かって高度を下げていく。
「……ん?め、目暮警部?」
「何だね?高木君」
埠頭を見回っていた高木が、ふと空を見上げながら小さく声をあげる。
「なんかあの飛行機…ここに向かってるみたいですね」
「な…なんで!?」
目暮は、自分達のいる埠頭に真っすぐ向かって来る飛行機に目を丸くする。
-----ゴォォォ!!!
「「そ、総員待避っ!!!」」
目暮と中森は迫り来る飛行中を見て、大声で周りにいる部下に命じる。
「うわあああ!!」
警官達はみるみる近付いてくる飛行機に目を見開きながら、必死に埠頭から駆け出して行った。