「銀翼の魔術師」編
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「……哀、気付いてたの?」
名前の言葉に、灰原は軽く肩をすくめる。
「最初は何となくだったけど…副操縦士に工藤君を指名するなんて、普通の人間なら有り得ないもの」
「ま…そうよね」
名前もそれには同感だったようで、苦笑しながら頷いた。
card.264
「名前は…いつ気付いたのよ?最初は普通に喋ってたじゃない」
「…んー、新庄さんの言動に多少違和感は感じてたけど。確信したのは、コックピットに行くのを呼び止められた時かしら。…彼が変装中って、何かと事件に巻き込まれてて、そういうシチュエーションが多いから」
「"例え変装していても、いつでも自分を心配してもらってる″…っていう惚気?それ」
「馬鹿ね、違うわよ」
ジト目で見てくる灰原に、名前はため息をつきながら否定する。
「ふーん…そういえば、あの予告状」
「?」
「工藤君は、樹里さんが殺害される前にようやく暗号が解けてたけど。舞台の日は予告日じゃないって、あなた言ってたでしょ?あの日には予告状の暗号が解けてたの?」
「ああ…全然よ。私と飛行機に乗ってから、ようやくフォネクティックコードに気付いくらいだもの」
「…?あら、じゃあ彼から何か聞いてたの?」
「ううん……ただ、わざわざ変装してると分かる"新一″に化けて来たのも少し違和感があったし。あの日の彼は本当に新一に化けるのを楽しんでるみたいに見えたから。盗む気はないんじゃないかなって思っただけ」
「なるほどね…」
珍しく質問の多い灰原に、名前は不思議そうに首を傾げる。
「…何よ?どうしてそんな事聞くの?」
「…あら、死ぬ間際に心残りなんて残したくないじゃない?」
「……冗談やめてよ!」
名前は、そう言いながらも余裕そうに平然と笑う灰原に、呆れたような視線を向けながらため息をつく。
「……あの2人なら大丈夫よ、きっと」
名前は小さくそう呟くと、窓の外に視線を向ける。
「………そろそろみたいね」
「ええ」
徐々に飛行機が高度を下げ始めたのを感じ、今まで冗談を言い合っていた2人も真剣な眼差しで前を見つめた。
----コックピット
『こちら函館タワー!管制部長の上杉です!機長の島岡さんに替わります!』
「了解」
キッドは、新庄の声で無線に応答する。
『島岡です……早速ですが、"MCP″…モード・コントロール・パネルは分かりますか?』
「はい分かります」
『では…そこのAPPというボタンを押してください。そうすれば飛行機は自動的に滑走路まで降りてきます』
「了解!…APP…」
「あれだ!」
無線に答えた後、指示されたスイッチを探すキッドの横で、先に見つけたコナンが指を指して教える。
---ピッ
「…これで一安心だな」
「あぁ…」
二人は暫し敵対心を無くして、飛行機を無事に着陸させるべく自然と笑顔で会話をしている。
---ガタガタ
「………。」
「あわわ…」
機体が徐々に高度を下げて行くなか、機体は悪天候の雲の中へと突入しガタガタと音を立てて揺れはじめる。
蘭や園子はギュッと目を閉じて揺れと恐怖に堪え、小五郎は青ざめた顔で小さく声をあげる。
「ひでぇ雨だな…」
「風も強そうですね…」
元太と光彦が窓の外を見つめて、不安気に呟く。
----ゴォォォ!
(………抜けた!)
名前は暗い雲を抜けて、窓の外に小さく見え始めた街明かりを見つめる。
「あっ!」
「空港が見えたぞ」
コックピットでも、コナンとキッドが小さく見えはじめた空港の明かりに小さく安堵の笑みを浮かべる。
『…865便フラットを1に!』
---ガチッ
『フラップを5に…フラップを10に!』
---ガチッ、ガチッ
コナンは無線からの指示通りに、フラップを操作していく。
「行くぞ…名探偵、」
「ああ…!!」
『……車輪を降ろして、フラップを20に!』
-----ゴォォォ!
飛行機が空港に向かう中、滑走路では万が一に備えて消防隊が待機を始める。
---カッ!!
------ピシャーンッ!!
「ぅわっ!?」
しかし、滑走路に向けて高度を下げていたところで、突然コックピットを激しい音と共に目が霞むような光が襲う。
---フッ
「なっ…何!?」
「雷だっ!!雷が落ちたんだ!」
光が消えてキッドとコナンが目を開けると、コックピットは真っ暗な闇へと変わっている。さすがの二人も、突然の事態に目を疑い動揺を見せる。
「…っ!?こちら865便!!雷が落ちて画面がみんな消えちまった!」
『落ち着け!グレアシールドの端の白いツマミを回すんだ!』
予想外の出来事に、コントロールセンターにいる機長も汗を浮かべながら無線を通して指示を送る。
---カリカリ
------フッ…
「よし…ついたっ!」
再び明かりを取り戻したコックピットに、キッドは安堵の笑みを浮かべるが、コナンが横から大声で反論する。
「まだだ!!自動操縦装置がついていないっ!」
「!?」
無線ごしに二人の会話を聞いていた機長は、息をのんで声を張り上げる。
『何だって!?着陸中止だっ!』
コックピットには、機長の"着陸中止″という言葉が強く響いた。
名前の言葉に、灰原は軽く肩をすくめる。
「最初は何となくだったけど…副操縦士に工藤君を指名するなんて、普通の人間なら有り得ないもの」
「ま…そうよね」
名前もそれには同感だったようで、苦笑しながら頷いた。
card.264
「名前は…いつ気付いたのよ?最初は普通に喋ってたじゃない」
「…んー、新庄さんの言動に多少違和感は感じてたけど。確信したのは、コックピットに行くのを呼び止められた時かしら。…彼が変装中って、何かと事件に巻き込まれてて、そういうシチュエーションが多いから」
「"例え変装していても、いつでも自分を心配してもらってる″…っていう惚気?それ」
「馬鹿ね、違うわよ」
ジト目で見てくる灰原に、名前はため息をつきながら否定する。
「ふーん…そういえば、あの予告状」
「?」
「工藤君は、樹里さんが殺害される前にようやく暗号が解けてたけど。舞台の日は予告日じゃないって、あなた言ってたでしょ?あの日には予告状の暗号が解けてたの?」
「ああ…全然よ。私と飛行機に乗ってから、ようやくフォネクティックコードに気付いくらいだもの」
「…?あら、じゃあ彼から何か聞いてたの?」
「ううん……ただ、わざわざ変装してると分かる"新一″に化けて来たのも少し違和感があったし。あの日の彼は本当に新一に化けるのを楽しんでるみたいに見えたから。盗む気はないんじゃないかなって思っただけ」
「なるほどね…」
珍しく質問の多い灰原に、名前は不思議そうに首を傾げる。
「…何よ?どうしてそんな事聞くの?」
「…あら、死ぬ間際に心残りなんて残したくないじゃない?」
「……冗談やめてよ!」
名前は、そう言いながらも余裕そうに平然と笑う灰原に、呆れたような視線を向けながらため息をつく。
「……あの2人なら大丈夫よ、きっと」
名前は小さくそう呟くと、窓の外に視線を向ける。
「………そろそろみたいね」
「ええ」
徐々に飛行機が高度を下げ始めたのを感じ、今まで冗談を言い合っていた2人も真剣な眼差しで前を見つめた。
----コックピット
『こちら函館タワー!管制部長の上杉です!機長の島岡さんに替わります!』
「了解」
キッドは、新庄の声で無線に応答する。
『島岡です……早速ですが、"MCP″…モード・コントロール・パネルは分かりますか?』
「はい分かります」
『では…そこのAPPというボタンを押してください。そうすれば飛行機は自動的に滑走路まで降りてきます』
「了解!…APP…」
「あれだ!」
無線に答えた後、指示されたスイッチを探すキッドの横で、先に見つけたコナンが指を指して教える。
---ピッ
「…これで一安心だな」
「あぁ…」
二人は暫し敵対心を無くして、飛行機を無事に着陸させるべく自然と笑顔で会話をしている。
---ガタガタ
「………。」
「あわわ…」
機体が徐々に高度を下げて行くなか、機体は悪天候の雲の中へと突入しガタガタと音を立てて揺れはじめる。
蘭や園子はギュッと目を閉じて揺れと恐怖に堪え、小五郎は青ざめた顔で小さく声をあげる。
「ひでぇ雨だな…」
「風も強そうですね…」
元太と光彦が窓の外を見つめて、不安気に呟く。
----ゴォォォ!
(………抜けた!)
名前は暗い雲を抜けて、窓の外に小さく見え始めた街明かりを見つめる。
「あっ!」
「空港が見えたぞ」
コックピットでも、コナンとキッドが小さく見えはじめた空港の明かりに小さく安堵の笑みを浮かべる。
『…865便フラットを1に!』
---ガチッ
『フラップを5に…フラップを10に!』
---ガチッ、ガチッ
コナンは無線からの指示通りに、フラップを操作していく。
「行くぞ…名探偵、」
「ああ…!!」
『……車輪を降ろして、フラップを20に!』
-----ゴォォォ!
飛行機が空港に向かう中、滑走路では万が一に備えて消防隊が待機を始める。
---カッ!!
------ピシャーンッ!!
「ぅわっ!?」
しかし、滑走路に向けて高度を下げていたところで、突然コックピットを激しい音と共に目が霞むような光が襲う。
---フッ
「なっ…何!?」
「雷だっ!!雷が落ちたんだ!」
光が消えてキッドとコナンが目を開けると、コックピットは真っ暗な闇へと変わっている。さすがの二人も、突然の事態に目を疑い動揺を見せる。
「…っ!?こちら865便!!雷が落ちて画面がみんな消えちまった!」
『落ち着け!グレアシールドの端の白いツマミを回すんだ!』
予想外の出来事に、コントロールセンターにいる機長も汗を浮かべながら無線を通して指示を送る。
---カリカリ
------フッ…
「よし…ついたっ!」
再び明かりを取り戻したコックピットに、キッドは安堵の笑みを浮かべるが、コナンが横から大声で反論する。
「まだだ!!自動操縦装置がついていないっ!」
「!?」
無線ごしに二人の会話を聞いていた機長は、息をのんで声を張り上げる。
『何だって!?着陸中止だっ!』
コックピットには、機長の"着陸中止″という言葉が強く響いた。