「銀翼の魔術師」編
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card.261
「どうなってんだ!?」
事態が把握出来ず、小五郎はコックピットの入口に立ち尽くす。
「グァァ!」
そんな中、苦しむ機長の身体はドサッと前に倒れ込む。
---ピピピ…
-----ゴォォォ!
すると、倒れ込んだ機長の身体にいくつかのスイッチ触れてしまい、機体が急降下する。
「しまった!!自動操縦装置(オートパイロット)が解除された!」
「うおっ!?」
「キャァァ!!」
「うわ~っ!?」
コックピットにいた小五郎達だけでなく、客室にいた元太達も急降下し揺れる機体に声を上げる。
「き、機長!」
「…早く!!機長を引き起こして、座席をズラして!!」
コナンは操縦席に潜り込みながら、必死に機長に呼びかけているCAに指示を出す。そんな中も飛行機はみるみる下降していく。
「機長!!」
CAが機長の身体を起こして座席をズラした事で、コナンは完全に身体を運転席に潜り込ませる。
---グッ!!
「うおぉぉぉっ!!!」
----ゴォォォ!
コナンは小さい身体で全体重をかけて操縦桿を引いて、機体を立て直す。コナンの行動により、機体は何とか高度をあげてバランスを保ちはじめる。
「……よし!後は自動操縦装置のスイッチを……!」
---ピッ
コナンは操縦桿を握りながらスイッチに手を伸ばすが、それより早く後ろから誰かの指が自動操縦装置のスイッチを押す。
「…名前!?」
そこには揺れる機内の中を、小五郎やCAを押しのけてようやくコックピットにたどり着いたために、僅かに息を乱した名前の姿がある。
「小学生が…目立ちすぎなんじゃない?」
「ははっ!……バーロー、それどころじゃねぇだろうが」
「…でも、とりあえずは大丈夫そうね」
「ああ、何とかな…」
危機的な状況でありながらも、お互いを信頼しているためか二人は未だに笑顔を見せる。
「……でかしたぞ、坊主!」
そんな二人の後ろから新庄がコックピットに入ってきて、機長達の様子を確認する。
「…機体の方はもう大丈夫です!早く医者を!」
「わ…分かった!」
そして、未だにコックピットの入口で,呆然と立ち尽くすCAと小五郎に指示を出した。
『只今、機内で急病人が発生しました…お客様の中にお医者様がおられましたら……』
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コックピットでは乗り合わせていた医師が、機長と副操縦士の診察をしている。
「……。」
コナンや名前達は、その様子をジッと見守る。
「やはり…即効性の毒物による中毒ですね。応急処置をしますので…二人を客室に移してください!」
「よし、成沢さん!伴さん!手伝ってくれ!」
「「分かった!」」
医師の指示のもと、男性陣が機長達を客室へと移動させる。
「……おっと、」
機内はまだ僅かに揺れるために、機長の身体を支えていた伴がグラリとふらついて、操縦席の付近に手をつきながらも機長を客室へと運び出していく。
慌ただしく動く男性陣の脇で、園子はコナンに声をかける。
「ねぇ…どうして機長さん達まで?」
「さっき樹里さんがコックピットに入った時…機長さん達に握手の変わりに手の甲にキスをさせていたんだ」
「…それで樹里さんの指についていた毒が…」
樹里がコックピットに入った時の様子を見ていなかった名前は、納得したように小さく頷く。
「不運だったわね…普通に握手していれば、毒は2人の手の平についただけで口には入らなかったんだもの……」
灰原が呟いた言葉に名前は心配気に、処置を受ける機長達に目を向けた。