「銀翼の魔術師」編
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「ありえないわ!!そりゃ、推理としては面白いけど!」
英里の推理を聞いても、なつきは笑顔で否定する。そんななつきに対して、更に英里の言葉は続いていく。
card.260
「コナン君に聞いたわよ…あなた、ファンデーションをいじろうとした子供達を叱ったそうじゃない。毒を仕込む当日に子供達が悪戯でもして、万が一にもそれに触れないように釘を刺したんじゃなくて?」
「……じゃ、じゃあ…ちゃんとした証拠を見せて見なさいよ!!」
なつきは立ち上がって声を荒げる。
「そうね……樹里さんの指からファンデーションに混ぜた毒が検出されれば、それが証拠になるんでしょうけど……樹里さんが舐めてしまった時点でその証拠は消えてしまったわね。…でも、他にも証拠はあるわ」
「!!」
「毒を混ぜたファンデーションの瓶とスポンジ…賢いあなたは、その2つを機内には持ち込んでいないはず。かと言って…空港内のゴミ箱に捨てるのは危険。そう……私なら送るでしょうね、自宅宛に郵便で…」
「!?」
コナンの推理が合っていたようで、なつきは小さく息を飲んだあとに、反論出来ずにガクリと肩を落とした。
(何だ…?何かがひっかかる。)
推理を終えてトイレから出てきたコナンは、事件は解決したはずなのに何かが胸に引っ掛かり、眉をよせて考え込む。
「…新一?」
名前は、そんなコナンに小声で声をかけるが、コナンはハッと息をのんで突然声を荒げる。
「ねぇ!!さっき機長さん達に持って行ったお菓子、食べないように言って!」
「……え?」
突然のコナンの言葉に、CAは首を傾げる。
「早くしないと機長さん達が危ないんだっ!!」
「馬鹿か、お前は!?毒は菓子に入ってなかった…」
「菓子じゃねぇ!!機長さん達の指にも、毒がついてるかもしれねぇんだ!!」
「何っ!?」
「……CAさん!早くコックピットに連絡を!」
呆れたように呟く小五郎の言葉を遮り、子供のふりをするのも忘れた荒っぽい言葉で叫ぶコナン。その姿を見た名前は、理由は分からないものの事態の重大さに顔をしかめて、CAに声をかけながらコックピットに足を向ける。
「…名前、…ちゃん!」
そんな名前を新庄が呼び止めるが、2人の間には何人か他の乗客が立っていたため、新庄の制止の手は名前に届かない。
「………。」
(この感じ…?)
名前は小五郎とCAの後ろに続いてコックピットに向かっていたが、一瞬足を止めてチラリと新庄に目を向ける。
---ガチャリ
「機長、失礼します……!?」
「なっ…?」
「やっぱりだ!」
コックピットの扉を開けて目を見開くCAと小五郎の足元を抜けて、コナンは悔しそうに声をあげる。
「うううっ…!」
「機長!?…どうなさいました!?機長!」
「うぅ…っ」
そこには、首元を押さえながら苦しそうに声をあげる機長と副操縦士の姿があった。