「銀翼の魔術師」編
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「ところで…新一どう?犯人分かったの?」
名前は、ふいに真剣な表情に変わりコナンに小声で尋ねる。
「いや…毒がついてたんじゃねぇか、と思う場所に心当たりはあるんだが」
「え…どこなの?」
二人は空いている席に移って、コソコソとお互いの推理を伝え合う。そんな二人の姿を、新庄は小さく微笑みを浮かべて見つめていた。
card.259
「指先?」
「ああ…樹里さん、チョコレートを食べた後に、こう…ペロッと指先を舐めただろ?」
コナンはチョコレートを食べる仕種を真似ながら、そう説明する。
「なるほど…ね」
名前は自分が思いつかなかった毒の付着部位に、顎に手をあてながら小さく頷く。
「だが…チョコレートを食べる前に、ほとんどの奴が樹里さんに接触してるからな。いまいち誰がどのタイミングで仕掛けたのか…」
「あら…指先に毒がついていたって言うなら、私はあの人を一番に疑うけど」
「え…誰だよ?」
名前が悩むコナンの前で、平然とそう告げるためコナンは驚いて目を丸くする。
「……これ、よ」
そう言いながら、名前は鼻をつまむような仕種をしてみせる。
「……なるほど!!」
コナンは、ハッとひらめいたように息を飲んだ後にニヤリと笑う。
「じゃあ…後はいつも通り新一にお任せするわ」
「へいへい…何かあったら助けろよ」
コナンはすっかり傍観者を決め込む名前にジト目を向けたあと、小五郎の元に早足で向かった。
-----
----
---
-
「あれれぇ?おじさん、あれ何だろう?」
いつもの如く可愛らしい子供の声を出して小五郎の注意を引くコナンに、名前と灰原は呆れたような目を向けるが、当のコナンは小五郎に向けて麻酔銃を構える。
(よし…!今だ…!)
コナンが小五郎に標準を合わせ、パシュッと麻酔銃を発射する。
---グラッ
「おわ…っ!?」
しかし同じタイミングで、機内がグラッと揺れて小五郎の立っていた位置に英里が倒れ込む。
「げっ…やべっ!?」
コナンは、それを見て小さく声をあげるが時すでに遅し。
---ストン…
「あれ?お母さん、どうしたの?」
急に、座席に目を閉じて座り込んだ英里に蘭が不思議そうに声をかける。
「……やっべぇ!!」
(しゃーねぇ、初めてだけどやるしかねぇ!!)
コナンは、英里が座り込んだのと同時に顔をしかめて小さく呟きながら、トイレに駆け込む。
「………馬鹿」
焦って走り去るコナンを見た名前は、呆れたように呟く。
「……あなた、もったいぶるのはそれぐらいにして…そろそろ真相を話したら?」
しばらくして、コナンが去り際に英里の服に貼付けたボタン型スピーカーを通して機内に響く英里の声。
「………。」
(そういえば…新一がおばさんの声でコレをやるの初めてね)
名前はその声を聞いて、ぼんやりとそんな事を考える。
「ま…眠りの小五郎が出るほどの事件じゃないわね…いいわ、私が真相を話しましょう」
「え…嘘?」
「やった!!今日は、おばさまの推理ショーだ!」
英里の発言に、信じられないように目を丸くする蘭の横で、園子は嬉しそうに声をあげる。
「まずは……犯人が樹里さんに毒を盛った方法。その驚くべき手口からお話しようかしら」
英里の言葉に乗客達はジッと英里の方を見つめる。
「そう。それは耳抜き…」
「耳抜き?」
「犯人は、樹里さんが飛行機に乗った時には必ず耳抜きをする事を知っていたのよ……親指と人差し指で鼻をつまんで息を吐くあの方法を…いつも右手でやっていた事もね…」
「……。」
「この耳抜きは、歩美ちゃんがそうだったように女性が異性の前でやるには少々恥ずかしい行為。まして、樹里さんは女優で隣にはあなたがいた……いくらヌケ作でも異性は異性。」
「ヌ、ヌケ作!?」
小五郎は英里の言葉に、不満そうに反応するがコナンは構わずに推理を続けていく。
「だから樹里さんは隠れて耳抜きするためにトイレに行った。そしてその後、その指でチョコレートを食べたのよ。いつものように、指についたココアパウダーを舐めて…まさか、その癖によって完全に毒を体内に入れてしまうハメになるとは知らずにね…」
---ゴォォォ!
推理も佳境に差し掛かる中、飛行機は北海道に向かっていく。
「なんか…息苦しくないか?」
「ええ…おかしいですね」
空の珈琲カップとクッキーの入った皿の置かれたコックピットでは、機長達が額に汗を浮かべながらそんな会話をしていた。
機内では英里の推理ショーが続いている。
「……もっとも、樹里さんはその前からじわじわと毒物に侵されていたようだけど」
「え!?どういう事?…毒は一体どこに?」
英里の言葉に、天子が訳が分からないというように首を傾げる。
「そう…彼女の気分が悪くなったのは、肌から吸収された毒のせい…」
「は、肌って…!それじゃあ、まさか……」
「ええ。羽田空港の駐車場で毒物をファンデーションに混ぜて樹里さんの鼻の両側に塗り…樹里さんを死に至らしめた犯人は……酒井なつきさん!!あなたよっ!」
「!?」
暴かれたトリックと、そこから導かれた犯人の名前に乗客達は一斉になつきに視線を向けた。
名前は、ふいに真剣な表情に変わりコナンに小声で尋ねる。
「いや…毒がついてたんじゃねぇか、と思う場所に心当たりはあるんだが」
「え…どこなの?」
二人は空いている席に移って、コソコソとお互いの推理を伝え合う。そんな二人の姿を、新庄は小さく微笑みを浮かべて見つめていた。
card.259
「指先?」
「ああ…樹里さん、チョコレートを食べた後に、こう…ペロッと指先を舐めただろ?」
コナンはチョコレートを食べる仕種を真似ながら、そう説明する。
「なるほど…ね」
名前は自分が思いつかなかった毒の付着部位に、顎に手をあてながら小さく頷く。
「だが…チョコレートを食べる前に、ほとんどの奴が樹里さんに接触してるからな。いまいち誰がどのタイミングで仕掛けたのか…」
「あら…指先に毒がついていたって言うなら、私はあの人を一番に疑うけど」
「え…誰だよ?」
名前が悩むコナンの前で、平然とそう告げるためコナンは驚いて目を丸くする。
「……これ、よ」
そう言いながら、名前は鼻をつまむような仕種をしてみせる。
「……なるほど!!」
コナンは、ハッとひらめいたように息を飲んだ後にニヤリと笑う。
「じゃあ…後はいつも通り新一にお任せするわ」
「へいへい…何かあったら助けろよ」
コナンはすっかり傍観者を決め込む名前にジト目を向けたあと、小五郎の元に早足で向かった。
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「あれれぇ?おじさん、あれ何だろう?」
いつもの如く可愛らしい子供の声を出して小五郎の注意を引くコナンに、名前と灰原は呆れたような目を向けるが、当のコナンは小五郎に向けて麻酔銃を構える。
(よし…!今だ…!)
コナンが小五郎に標準を合わせ、パシュッと麻酔銃を発射する。
---グラッ
「おわ…っ!?」
しかし同じタイミングで、機内がグラッと揺れて小五郎の立っていた位置に英里が倒れ込む。
「げっ…やべっ!?」
コナンは、それを見て小さく声をあげるが時すでに遅し。
---ストン…
「あれ?お母さん、どうしたの?」
急に、座席に目を閉じて座り込んだ英里に蘭が不思議そうに声をかける。
「……やっべぇ!!」
(しゃーねぇ、初めてだけどやるしかねぇ!!)
コナンは、英里が座り込んだのと同時に顔をしかめて小さく呟きながら、トイレに駆け込む。
「………馬鹿」
焦って走り去るコナンを見た名前は、呆れたように呟く。
「……あなた、もったいぶるのはそれぐらいにして…そろそろ真相を話したら?」
しばらくして、コナンが去り際に英里の服に貼付けたボタン型スピーカーを通して機内に響く英里の声。
「………。」
(そういえば…新一がおばさんの声でコレをやるの初めてね)
名前はその声を聞いて、ぼんやりとそんな事を考える。
「ま…眠りの小五郎が出るほどの事件じゃないわね…いいわ、私が真相を話しましょう」
「え…嘘?」
「やった!!今日は、おばさまの推理ショーだ!」
英里の発言に、信じられないように目を丸くする蘭の横で、園子は嬉しそうに声をあげる。
「まずは……犯人が樹里さんに毒を盛った方法。その驚くべき手口からお話しようかしら」
英里の言葉に乗客達はジッと英里の方を見つめる。
「そう。それは耳抜き…」
「耳抜き?」
「犯人は、樹里さんが飛行機に乗った時には必ず耳抜きをする事を知っていたのよ……親指と人差し指で鼻をつまんで息を吐くあの方法を…いつも右手でやっていた事もね…」
「……。」
「この耳抜きは、歩美ちゃんがそうだったように女性が異性の前でやるには少々恥ずかしい行為。まして、樹里さんは女優で隣にはあなたがいた……いくらヌケ作でも異性は異性。」
「ヌ、ヌケ作!?」
小五郎は英里の言葉に、不満そうに反応するがコナンは構わずに推理を続けていく。
「だから樹里さんは隠れて耳抜きするためにトイレに行った。そしてその後、その指でチョコレートを食べたのよ。いつものように、指についたココアパウダーを舐めて…まさか、その癖によって完全に毒を体内に入れてしまうハメになるとは知らずにね…」
---ゴォォォ!
推理も佳境に差し掛かる中、飛行機は北海道に向かっていく。
「なんか…息苦しくないか?」
「ええ…おかしいですね」
空の珈琲カップとクッキーの入った皿の置かれたコックピットでは、機長達が額に汗を浮かべながらそんな会話をしていた。
機内では英里の推理ショーが続いている。
「……もっとも、樹里さんはその前からじわじわと毒物に侵されていたようだけど」
「え!?どういう事?…毒は一体どこに?」
英里の言葉に、天子が訳が分からないというように首を傾げる。
「そう…彼女の気分が悪くなったのは、肌から吸収された毒のせい…」
「は、肌って…!それじゃあ、まさか……」
「ええ。羽田空港の駐車場で毒物をファンデーションに混ぜて樹里さんの鼻の両側に塗り…樹里さんを死に至らしめた犯人は……酒井なつきさん!!あなたよっ!」
「!?」
暴かれたトリックと、そこから導かれた犯人の名前に乗客達は一斉になつきに視線を向けた。