「銀翼の魔術師」編
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---函館、大沼湖畔・樹里の別荘
---ザァァァ…
生憎の雨が降りしきる中、レインコートを着た中森が、茂みに隠れて樹里の別荘を見つめる。
「俺の勘が正しければ奴は必ずここに来るはずだ…」
「中森警部!!別荘に明かりが……」
ふいに別荘の1室に明かりが灯り、部下の1人が中森に声をかける。
「ん……あれはっ!!」
そして明かりのついた部屋の窓には、独特のシルクハットとマントを纏った人物の影が写った。
card.250
『スカイジャパン航空、函館行き…18時15分発…865便は、只今ご搭乗手続きを行っております……』
「すごーい!フカフカだぁ!」
歩美は飛行機の座席に座って、嬉しそうに声をあげる。
「なかなか良いもんじゃのぉ…」
「社長みてーだぜ!!」
「国内線で2階にこのスーパーシートがあるのは、このスカイジャパン航空だけなんです!」
元太達が楽しそうに話しているのを聞きながら、名前は蘭と園子の後ろの席に座る。
「…ちょっと蘭?どうしたのよ、さっきから後ろを振り返ってばかりいて…」
名前の前の席では、キョロキョロと後ろに目を向ける蘭に、園子が不思議そうに声をかけている。
「…いらっしゃいませ」
「これ招待された搭乗券です。お願いします」
その時、ふいに後ろの搭乗口から聞こえた声に蘭は嬉しそうに振り返る。
「?」
名前は、そんな蘭の様子に不思議に思いながら通路に目を向けると、カツカツと軽快なヒールの足音をたてながら、小五郎の席に向かって来る人物が目に入る。
「…え?」
(まさか蘭…)
名前がその人物の後ろ姿を見て目を丸くするなか、その人物は小五郎に声をかける。
「あの、お隣りの席…」
「ああ、どうぞ…って!えっ!?英里っ!?」
「あ…あなたっ!?」
そう、遅れて搭乗してきた人物は"妃英里"。蘭の母親である。
「な、なんであなたがここに?」
「それはこっちの台詞だ!!」
小五郎と英里が戸惑っている中、蘭がわざとらしく声をあげる。
「あれれ~?もしかしてお母さんも函館へ?すっごい偶然!!やっぱり、お父さんとお母さんって縁があるんだねぇ!」
「何言ってるの?樹里さんからご招待を受けたけど、お父さんが行けないから変わりに来てくれって蘭が……」
「な、何!?蘭、またお前は余計な事を!!」
「ま…まぁまぁ、とにかく…せっかくの機会なんだから座ってよ!2人とも…」
仕組まれた事に気がついて蘭に詰め寄る二人だが、蘭は笑顔でそう声をかける。
「冗談じゃないっ!」
「なんでコイツ隣なんかにっ!!」
「私だってあなたの隣なんてお断りよ!ふんっ!!」
しかし案の定、二人は相容れずお互いから離れて行き、小五郎は樹里の隣の席に、英里は通路を挟んだ蘭の隣と…2人別々の席に座ってしまう。
「はぁ、どうしていつもこうなっちゃうんだろう?」
「「「………。」」」
(そりゃなるよ…)
(こんな無理やり会わせてもね…)
(まぁこうなるよな…)
蘭が不思議そうにため息をつくなか、園子と名前とコナンは、呆れたように心の中で呟いていた。