「銀翼の魔術師」編
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「名前ちゃん、おかえりーっ!!」
自宅の扉を開けたとたん響いた明るい声と、目の前にいる人物。
「……ただいま、快斗」
名前は小さく息をついて、目の前で満面の笑みを浮かべている快斗に言葉を返した。
card.247
「………。」
--もう1回冷静に考えてみろって言ってんだ--
--……あいつが相手じゃ、オメーは幸せになれねぇんじゃねぇかと思ってよ--
--"あいつと一緒にいる″って……覚悟があるのかを……--
「…名前?」
玄関には入ったものの、そのまま動かずにぼんやりと快斗の顔を見つめている名前を、快斗は不思議そうに覗き込む。
「あっ…ごめん、ちょっとぼんやりしちゃった」
名前は、快斗に名前を呼ばれハッと意識を上昇させてそう答えながら、開いたままだった玄関の扉を閉める。そんな名前の顔を、快斗は心配そうに見つめる。
「…どうした?何かあったのか?」
「んー、何にもないわ」
小さく首をふってそう言いながら、名前は靴を脱いで快斗に1歩近付く。
---ポフッ
「……名前?」
そして、そのまま快斗に抱き着いて胸に顔を埋める名前。その珍しい行動に快斗は戸惑ったように目を丸くして顔を覗きこもうとするが、名前は何となく今の自分の顔を見られたくなくて、快斗の胸にグリグリと顔を押し付ける。
「どうしたんだよ、本当に何かあったのか?体調悪いのか?」
「ううん、ちょっと快斗とこうしたい気分なの」
「………そっか」
快斗はいつにない名前の甘えるような言動に、心配気に小さく眉を寄せながらも、それ以上は追及せずにギュッと名前を抱きしめ返す。
「……。」
(……新一に言われなくたって、"覚悟″なんて…あるに決まってるのに)
名前は、もやもやした気持ちを抱えながら快斗の温もりに包まれてゆるり目を閉じた。
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しばらく快斗に抱きついていた名前だったが、落ち着きを取り戻すと快斗から離れて一緒にリビングに戻った。
---カチャカチャ
「それでよー、聞いてよ!名前ちゃん!!」
「え?ちょっと待って、ここじゃよく聞こえないから後でね」
キッチンで夕飯の支度をする名前に向かって、リビングから快斗が声をかける。
「チェッ、後でゆっくり聞いてよ!!俺の話!めちゃくちゃ大変だったんだぜ!?」
「ふふ…はいはい」
ジューッと何かを炒めている音と共に聞こえてきた名前の返事に、快斗は小さく微笑む。
---ドサッ
快斗はソファにもたれて、料理の音が響くキッチンにチラリと目を向ける。
「とりあえず…やっと笑ったな」
(ったく、何があったんだか…)
帰って来たばかりの様子がおかしかった時と比べると、いつも通りの名前に戻ってきて、少しではあるが笑うようになったため、快斗は安堵の息をつく。何があったのかは話す気はなさそうだったため、一先ず深くは追求せずいつも通りに振る舞っているが、内心では自分のいない間に何があったのか心配でたまらない。
(くそっ、またあの過保護な幼なじみが何か言ったんじゃねーだろうな)
快斗はつい先ほどまで自分を追いかけ回していたコナンの姿を思い返して、小さくため息をついた。