「銀翼の魔術師」編
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-ブーブー
舞台を見ていた名前は、ポケットの中で震える携帯に眉を寄せて、慌てて携帯を取り出す。
「哀ごめんね、私ちょっと抜けるわ」
「はいはい…」
液晶にうつし出された名前を見て、名前はそっと席を立って会場を後にした。
card.246
「もしもし…?」
『あっ、名前か?ちょっと悪ぃんだけど…迎えに来てくれねぇ?』
名前は耳元で聞こえる台詞と、背後に響く駅のアナウンスのような音に首を傾げる。
「新一…あなた今どこにいるのよ?キッドはどうしたの?」
『あー、いろいろあって…浜浦駅にいるんた。キッドの野郎は…無事に逃げって行ったよ』
「…浜浦駅って、ここから3駅も先じゃないの!どんな追跡したのよ?」
新一の言葉の"キッドの野郎は~″の辺りから、自分に対する厭味を感じた名前だったが、あえてそこには触れずに小さくため息をつく。
『まぁ、詳しくは後で話すから…とりあえず迎え来てくれよ。手持ちがなくて帰れねぇんだ』
「……はいはい、今から行くから待ってて」
(…キッド追い掛けるなら、現金くらい持ってなさいよね)
名前は呆れたように返事をすると、灰原に今の状況と自分とコナンがいない理由を皆にうまく伝えてほしいという旨のメールを送りながら、劇場を出て近くの駅へと向かった。
-----
---
--
-
『扉が締まります…ご注意下さい』
----プシューッ!!
「…わざわざ悪かったな」
30分後無事に合流した二人。
乗り換えの電車を待つ名前とコナンは、ほとんど誰もいないホームのベンチに並んで座っている。
「んー、私は良いけど。後で哀に謝った方が良いわよ?今頃、私と新一がいない理由考えて皆を誤魔化してくれてると思うから」
名前は苦笑しながら、コナンにそう言葉を返す。
「ああ…あいつにそんな面倒なことさせたら、睨まれるくらいじゃすまねぇな」
コナンは大きくため息をつきながら、わざとらしく肩をすくめる。
「「…………。」」
二人の間に冷たい風が吹き抜けて、お互い何となく口をつむぐ。
「………。」
(夜になると寒いわね…)
名前は小さく息を吐くと、ポケットに手を入れて暗くなった空を見上げる。
「なぁ…名前、」
「んー?」
名前を呼ばれた名前は、夜空からコナンに視線をうつすが、コナンは前を見たままで名前の方には視線を向けない。
「お前さ…何であいつが良いわけ?」
「……。」
改めてポツリと呟かれた質問に、名前は少し困ったようにコナンから視線をそらす。
「それは…この間も言ったじゃない。秘密よ…って、何よ…キッドに何か言われたの?」
「いや、そうじゃねぇけどさ。俺はさ…」
「うん?」
「俺は…あいつが相手じゃ、オメーが幸せになれねぇんじゃねぇかと思ってよ」
「新一、それは違う…」
「オメーは、"今は"、幸せかもしれないけどよ」
名前の否定の言葉を遮って、コナンは更に言葉を続ける。
「オメーが選んだんだから、あいつきっと良い奴なんだろ?」
「ええ…」
「だけど…やっぱり"普通″の相手じゃない分、苦労もするだろうし。もしかしたら、お前が犯罪者の仲間だって思われる可能性だってあるだろ?」
「………。」
コナンは、いつもの感情的な物言いではなく落ち着いた口調で語り続ける。
「オメーは、馬鹿じゃないからよ…俺に言われなくたって、ちゃんと考えてるんだろうけどさ。もう1回考えてみろよ……"あいつと一緒にいる″って事、"この先、何があっても大丈夫だ″って覚悟があるのかを……さ」
「今の私に…その"覚悟″がないって事?」
名前は、少し不満そうに眉を寄せてコナンに尋ねる。
「そうは言ってねぇよ……ただ、もう1回冷静に考えてみろって言ってんだ」
「……。」
そう言うと、コナンはゆっくりと立ち上がり1歩前に出て、名前に背中を向けたまま言葉を続ける。
「……これは、"高校生探偵″の工藤新一からではなく、名字名前の…オメーの幼なじみ…友人としての助言だ」
「……新一」
名前は、コナンの言葉に目を見開く。
「「………。」」
2人の会話はそこで途絶える。
コナンは相変わらず立ったまま名前に背を向けており、名前も視線をコナンの背中から下に落とす。
『列車が到着します。危険ですので白線の内側に……』
「ほら…電車来たぞ。ボケッとしてねーで帰ろうぜ」
沈黙を破るように、ホームにアナウンスが響き、コナンはくるりと振り返って、ベンチで眉を寄せて考え込んでいる名前に声をかける。
「………帰りの電車代、出してもらってるわりに偉そうね」
「うるせー、悪かったって言ってんだろ!」
名前は小さくため息をついて立ち上がると、いつものように軽口を言い合いながらコナンと並んで電車に乗り込む。
---ガタン、ゴトン…
「…………。」
(……"快斗と″一緒にいる"覚悟″か)
帰りの電車内で、名前はコナンから言われた言葉を頭の中で繰り返し考えていた。
舞台を見ていた名前は、ポケットの中で震える携帯に眉を寄せて、慌てて携帯を取り出す。
「哀ごめんね、私ちょっと抜けるわ」
「はいはい…」
液晶にうつし出された名前を見て、名前はそっと席を立って会場を後にした。
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「もしもし…?」
『あっ、名前か?ちょっと悪ぃんだけど…迎えに来てくれねぇ?』
名前は耳元で聞こえる台詞と、背後に響く駅のアナウンスのような音に首を傾げる。
「新一…あなた今どこにいるのよ?キッドはどうしたの?」
『あー、いろいろあって…浜浦駅にいるんた。キッドの野郎は…無事に逃げって行ったよ』
「…浜浦駅って、ここから3駅も先じゃないの!どんな追跡したのよ?」
新一の言葉の"キッドの野郎は~″の辺りから、自分に対する厭味を感じた名前だったが、あえてそこには触れずに小さくため息をつく。
『まぁ、詳しくは後で話すから…とりあえず迎え来てくれよ。手持ちがなくて帰れねぇんだ』
「……はいはい、今から行くから待ってて」
(…キッド追い掛けるなら、現金くらい持ってなさいよね)
名前は呆れたように返事をすると、灰原に今の状況と自分とコナンがいない理由を皆にうまく伝えてほしいという旨のメールを送りながら、劇場を出て近くの駅へと向かった。
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『扉が締まります…ご注意下さい』
----プシューッ!!
「…わざわざ悪かったな」
30分後無事に合流した二人。
乗り換えの電車を待つ名前とコナンは、ほとんど誰もいないホームのベンチに並んで座っている。
「んー、私は良いけど。後で哀に謝った方が良いわよ?今頃、私と新一がいない理由考えて皆を誤魔化してくれてると思うから」
名前は苦笑しながら、コナンにそう言葉を返す。
「ああ…あいつにそんな面倒なことさせたら、睨まれるくらいじゃすまねぇな」
コナンは大きくため息をつきながら、わざとらしく肩をすくめる。
「「…………。」」
二人の間に冷たい風が吹き抜けて、お互い何となく口をつむぐ。
「………。」
(夜になると寒いわね…)
名前は小さく息を吐くと、ポケットに手を入れて暗くなった空を見上げる。
「なぁ…名前、」
「んー?」
名前を呼ばれた名前は、夜空からコナンに視線をうつすが、コナンは前を見たままで名前の方には視線を向けない。
「お前さ…何であいつが良いわけ?」
「……。」
改めてポツリと呟かれた質問に、名前は少し困ったようにコナンから視線をそらす。
「それは…この間も言ったじゃない。秘密よ…って、何よ…キッドに何か言われたの?」
「いや、そうじゃねぇけどさ。俺はさ…」
「うん?」
「俺は…あいつが相手じゃ、オメーが幸せになれねぇんじゃねぇかと思ってよ」
「新一、それは違う…」
「オメーは、"今は"、幸せかもしれないけどよ」
名前の否定の言葉を遮って、コナンは更に言葉を続ける。
「オメーが選んだんだから、あいつきっと良い奴なんだろ?」
「ええ…」
「だけど…やっぱり"普通″の相手じゃない分、苦労もするだろうし。もしかしたら、お前が犯罪者の仲間だって思われる可能性だってあるだろ?」
「………。」
コナンは、いつもの感情的な物言いではなく落ち着いた口調で語り続ける。
「オメーは、馬鹿じゃないからよ…俺に言われなくたって、ちゃんと考えてるんだろうけどさ。もう1回考えてみろよ……"あいつと一緒にいる″って事、"この先、何があっても大丈夫だ″って覚悟があるのかを……さ」
「今の私に…その"覚悟″がないって事?」
名前は、少し不満そうに眉を寄せてコナンに尋ねる。
「そうは言ってねぇよ……ただ、もう1回冷静に考えてみろって言ってんだ」
「……。」
そう言うと、コナンはゆっくりと立ち上がり1歩前に出て、名前に背中を向けたまま言葉を続ける。
「……これは、"高校生探偵″の工藤新一からではなく、名字名前の…オメーの幼なじみ…友人としての助言だ」
「……新一」
名前は、コナンの言葉に目を見開く。
「「………。」」
2人の会話はそこで途絶える。
コナンは相変わらず立ったまま名前に背を向けており、名前も視線をコナンの背中から下に落とす。
『列車が到着します。危険ですので白線の内側に……』
「ほら…電車来たぞ。ボケッとしてねーで帰ろうぜ」
沈黙を破るように、ホームにアナウンスが響き、コナンはくるりと振り返って、ベンチで眉を寄せて考え込んでいる名前に声をかける。
「………帰りの電車代、出してもらってるわりに偉そうね」
「うるせー、悪かったって言ってんだろ!」
名前は小さくため息をついて立ち上がると、いつものように軽口を言い合いながらコナンと並んで電車に乗り込む。
---ガタン、ゴトン…
「…………。」
(……"快斗と″一緒にいる"覚悟″か)
帰りの電車内で、名前はコナンから言われた言葉を頭の中で繰り返し考えていた。