「銀翼の魔術師」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「うわああぁぁっ!!」
---ゴォォォ!
声をあげながら落下していくコナンの姿を確認すると、キッドは身体を垂直にして一気にコナンに向かって加速していく。
「…!?」
しかし今まで叫び声をあげていたはずのコナンは、キッドが自分に向かって来るのを確認すると、ふいに鋭い視線をキッドに向けて時計型麻酔銃を構えた。
card.245
---パシュッ!!
「!!」
--ゴォォ!
「くっ、まじかよ…っ!?」
自分目掛けて麻酔針が放たれたキッドは、グンッと体勢を無理矢理変えて何とか麻酔針を避ける。
「……くっそ、」
コナンはキッドが麻酔針を避けたのを見て悔しそうに声をあげると、くるりと落下していく方向に身体の向きを変える。
「おいおい…」
(あいつ、どうする気だよ?)
キッドは驚きながら、そんなコナンの姿を見つめる。
---グイッ!
そんなキッドを尻目に、コナンは背負っていたリュックの紐を勢いよく引っ張る。
---バサッ!!
すると、リュックからブワリとパラグライダーが飛び出て来て、落下していたコナンの身体がふわりと宙に浮く。
「おー、…なるほど。ハンググライダーには、パラグライダーってわけね」
そんなコナンの姿を見たキッドは感心したように笑った後、コナンから逃げるべくゴォォォ!と加速していき、高層ビルが立ち並ぶ街中に進んでいく。
「待て!!」
コナンもパラグライダーを操り、逃げようとするキッドの背中を追う。
----ガタン、ゴトン…
キッドは徐々に降下していき、走り出した電車の屋根に近付くと、カチャカチャとハンググライダーのベルトを外し電車の屋根に着地する。
「……よっと」
----バサッ!!
後に続くコナンも、果敢にパラグライダーを操り、列車に近付くとパラグライダーを手放してドサッと列車の屋根に飛び降りる。
----ゴトン、ゴトン…
徐々に加速していく列車の上で、黙ったまま見つめ合うキッドとコナン。
「さすがだな…さっきのパラグライダー、あれも"阿笠博士″の発明かい?」
「ふっ、もう逃げられないぜ!!空を飛べなくなったら、怪盗キッドもただのコソ泥だ!」
ハンググライダーを手放したキッドに向かって、コナンがニヤリと笑いながらそう言い放つ。
「ふーん、じゃあ…そろそろ、元の"怪盗″に戻らせてもらおうかな!」
「え…!?」
----カリカリカリ…
(……何だ!?この音…)
思いがけないキッドの台詞に、コナンは目を見開くと同時に、不審に響く小さな音に気がついて上を見上げる。
「…しまったっ!!」
そこには、ピアノ線に繋がり宙に浮かぶハンググライダーの姿。
---ダッ!!
コナンは、キッドを逃がすまいとキッドに向かい駆け出すが、キッドは自分に近付いて来るコナンを余裕の笑みで見つめながら、スッと右手にスイッチを掲げる。
「じゃあな、名探偵。名前によろしく!」
---カチッ
そう言いながらスイッチを押すと、ゴォォォ!と、ハンググライダーと繋がった糸が巻き取られていき、キッドの身体はハンググライダーに引き寄せられていく。
「……くそっ!!」
そして、ハンググライダーのハンドルを掴むと不敵な笑みを浮かべて飛び去っていくキッド。そんな姿を、1人電車の屋根に残されたコナンは悔しそうに見送った。