「銀翼の魔術師」編
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「哀…さっき何話してたの?」
劇場に入り席に座った名前達。
名前が、蘭と園子と話している間、灰原と"新一"が思いの外ゆっくり二人で何かを話していたのが見えたため、名前は隣に座る灰原にこっそり尋ねた。
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「…秘密よ。帰ったら彼に聞いてみたら?」
しかし、サラリとそう答える灰原。名前は相変わらずの態度に苦笑してしまう。
「哀…話してみたいって言ってたけど、哀が話したかった事は話せたの?」
「……それは、変装していない素顔の彼に会えた時の為にとっておく事にしたわ」
「……え、そう。ふふ…いつかそんな日が来るといいわね」
思いがけない灰原の言葉に、名前は僅かに驚いて目を見開くが至極嬉しそう言って微笑む。灰原は、そんな名前の横顔を苦笑しながら見つめていた。
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~~♪~~♪♪~
『……存じあげておりますわ…ナボレオーニ・ボナパルト将軍…』
『とても勇敢な方だと聞いておりますわ…』
『はは、それほどでもありませんが……』
『将軍…一曲踊っていただけませんかしら?』
~~~♪♪♪~♪
舞台が始まり、名前達は舞台に目を向けるが、灰原の隣に座るコナンは会場の入口脇の通路で立ったまま舞台を見ている゙新一″に視線を向けている。
~~♪♪♪
『何もかも懐かしい…』
『あの輝かしい日々…ボナパルト…エレバ島…ローマ王』
~~~♪♪~♪
「……!?」
舞台も佳境に差し掛かったころ、自分の事を見ていたのに気付いていたのか、"新一″はコナミに向けて軽く手をあげながらウィンクすると、スッと会場から出ていく。
「……あいつ!!」
(どこに行く気だ…!?)
「…灰原、後を頼む!」
コナンは後を追うために席を立ち、去り際に隣にいる灰原にそう告げる。そして、灰原の横に座って舞台を見つめる名前の横顔をチラリと見た後に、名前には何も言わずに"新一″の後を追って駆け出していく。
「…行ってらっしゃい」
灰原は、呆れたようにコナンの背中に向けてそう返すと、隣にいる名前に目を向ける。
「……あなたは良いの?」
「んー、」
名前は、舞台から目を逸らさずに小さく口元に笑みを浮かべる。先ほどから、舞台を見つめていたように見えた名前だったが、"新一″とコナンの動向はしっかり把握していたようだ。
「……私は良いわよ。私が行っても何もする事ないだろうし」
「ふーん」
「それに…」
「…?」
「今日は"予告日″じゃないと思うから…」
「……え?あなた、あの予告状の暗号がわかったの?」
「………。」
名前は舞台からチラリと灰原に視線をうつして曖昧に微笑むと、何も言わずにまた舞台へと視線を戻したのだった。