「銀翼の魔術師」編
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card.235
「どうも、工藤新一です」
「し、新一!?」
新一の登場に、真っ先に蘭が驚きの声を上げたのに続き、他の一同も次々に思い思いの言葉を口にしていく。
「か…か…」
「なんだコイツか…」
「工藤新一って…あの有名な高校生探偵の!?」
「か…か…か…」
「誰だっけか?」
「もう、元太君!何を言ってるんですか?」
「蘭お姉さんの恋人よ!!」
「か……か…」
少年探偵団や成沢の台詞の合間に聞こえるコナンの声に、名前はため息をつく。
(新一……仕方ないけど、思いっきりどもってるわね)
「…怪盗キッドだっ!!この人、新一兄ちゃんじゃない!キッドが化けてるんだ!」
「…!?」
ようやく口に出た台詞に、中森や小五郎がピクリと反応する。
「キッドが…?」
「お前…何でそんな事わかるんだ?」
「だって、俺が本当の…!」
「…ゴホン、」
小五郎の問いに、思わず自分の正体を明かしそうになるコナンの横で、名前がわざとらしく咳ばらいをする。
「…あ、」
「本当の何だ…?」
我に返って口ごもるコナン。そんなコナンに小五郎が訝し気に詰め寄る。
「あ、いや…えへへ」
「はははっ!!」
そんなコナンを尻目に、中森が笑い声をあげる。
「なるほど…その可能性もないとは言えないな。………むんっ!」
そう言うと、中森は勢いよく新一の頬をつまんで引っ張りあげる。
「イタタタ!!ひょっほ、やめへくだはい!中森警部~」
しかし、いくら顔を引っ張られても、新一は苦笑しながら中森に制止の声をあげるだけである。
「…どういう事じゃ?一体…」
それを見た阿笠が、身を屈めてコナンにこっそり尋ねる。
「さぁな…キッドの顔立ちが、元々俺に似ているか…」
「…もしくは、あなたの方が偽物って事か…」
「あ…哀、」
「オイオイ…」
コナンの声を遮るように灰原が楽しそうに呟いた言葉に、名前とコナンは苦笑する。
「よーし、間違いない!本物だ」
ようやく満足したのか、新一の顔から中森は手を離す。
「……。」
(…快斗痛そう)
名前は中森の後ろで、眉をよせて真っ赤になった頬に手を当てている"新一″の姿に苦笑する。
「ふんっ…私の勘では、キッドはこの中にはいません!」
「……だからいるって」
中森を嘲笑うかのように、自信満々に言い切る小五郎。そんな小五郎に、コナンが呆れたようにジト目を向ける。
「それに…キッドを捕まえる秘策なら、ちゃんと考えてあります!」
「ほほう…それじゃ、その秘策とやらを伺いましょうか?」
小五郎の言葉に、中森はピクリと眉を動かして尋ねる。
「あ、すいません…」
しかし、2人が怪盗キッド捕縛の作戦の会話を始めるのを遮るように、新一がスッと手を上げて口を開く。
「僕は僕のやり方でやりますので…」
「…何ぃ?上等だ!探偵ボーズに用はねぇよ!!」
「へへ…」
ムキになった小五郎の言葉に、ニカッと悪戯っ子のような笑顔を浮かべる新一とは対照的に、名前の横にいるコナンの視線はどんどん鋭いものに変わっていく。
「……はぁ」
名前はそんな2人の姿に、小さくため息をついたのだった。