「銀翼の魔術師」編
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---宇宙/楽屋1
「失礼します…」
「ようこそ、毛利さん!!こんな格好で失礼します…」
小五郎を先頭に樹里の楽屋に入ると、楽屋では樹里がヘアメイクをしているところだった。
card.233
「なつきちゃん、こちらはあの有名な毛利小五郎さん…あなたも知ってるでしょ?」
樹里は、自分の後ろで樹里の髪をセットしている女性に声をかける。話かけられた女性は、手を止めて小五郎の方にペコリと頭を下げる。
「ヘアメイク担当の酒井なつきです。はじめまして」
「どうも、はじめまして」
小五郎がなつきに挨拶している足元を、歩美達がゾロゾロと楽屋に入ってくる。
「うわぁ!広いお部屋!」
「すげ~っ!!」
「お花もいっぱいですね」
楽しそうに声をあげながら楽屋に入って来た子供達に、樹里は鏡越しに厳しい視線を向ける。
「すいませんなぁ…お言葉に甘えて子供達まで連れて来てしまいました」
そんな樹里の視線には気付かずに、小五郎は樹里に声をかける。
「いえ、構いませんわ…」
小五郎に声をかけられると、樹里はニコリと笑顔に戻って言葉を返す。
「今のあの人の視線…」
「え?」
名前の足元で、灰原が樹里に視線を向けたままポツリと呟く。
「……あまり"良い人″ではなさそうね」
「ま、子供が苦手な人もいるしね」
名前も樹里の視線には気付いていたが、あまりにもサラリとそう言い切る灰原に苦笑する。
名前と灰原がそんな事を小声で話していた頃、小五郎と樹里は楽屋に飾られていた樹里がダイビングをやっている時の写真を見て、ダイビングの話で盛り上がっている。
「樹里さん、ダイビングをおやりになるんですね!」
「ええ、まだ始めたばかりですけど…今度ご一緒しませんか?」
「ぜひっ!!」
「……ダイビングなんかやった事ないくせに」
ウキウキとした様子の小五郎を見て、蘭は呆れたようにため息をつく。
「わ~っ!!お化粧の道具がいっぱいある!」
ふいに聞こえた明るい声に、名前と灰原がくるりと振りかえって目を向けると、化粧台の前で歩美が目を輝かせながら、たくさん置かれたメイク道具を見つめている。
「ふふ…」
名前と話していた灰原は、そんな歩美の姿を見ると、小さく微笑みを浮かべながら歩美に近付いていく。
「…本当にたくさんあるわね」
嬉しそうにメイク道具を見ている歩美に、灰原がそう声をかけながら隣に並ぶ。
「これって…ファンデーションって言うんだよね!?」
「ええ…」
化粧道具の1つを手に取り、歩美が楽しそうに尋ねて来るのを見て灰原が笑顔で頷く。
---スッ
すると、楽しそうに盛り上がっていた歩美の手から、スッとファンデーションが抜き取られる。
「コラッ、お嬢ちゃん達…お化粧に興味を持つのはまだ早いぞ!」
なつきはそう言いながら、歩美の手から抜き取ったファンデーションをメイクBOXの中にしまう。
「子供は子供らしく…ね?」
「は~い」
なつきにそう言われて、不服そうに返事をする歩美だったが灰原に諭されながら元太達のもとへ戻っていった。