「銀翼の魔術師」編
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card.231
「名前ちゃん!今日舞台を見に行くんでしょ?」
授業が終わり、青子が荷物を抱えながら名前に声をかける。
「ええ、そうなの。こんな大きな声で舞台見るの初めてだから楽しみだわ」
名前も、自分の荷物を持ちながら立ち上がる。
「青子は今日は用事があって行けないんだけど…お父さんが行くって言ってたから、もし会ったらよろしくね?」
「怪盗キッドから予告状来てるんだもんね。中森警部も毎回大変ね…」
「本当よっ!あの泥棒のせいで、お父さん最近ほとんど休みないんだからっ!」
プリプリと怒る青子に、名前が苦笑していると後ろから声がかかる。
「おーい!名前、帰っぞ!」
「あ、今行く…!」
快斗に呼ばれて、名前は後ろを振り返って慌てて返事をする。
「…青子は帰らねーのか?」
名前とは対照的に、動くそぶりを見せない青子に快斗は首を傾げる。
「青子、委員会があるの。…名前ちゃん気をつけて帰ってね」
「うん。じゃあまた明日ね!」
「またなーっ」
そう言いながら2人並んで帰っていく快斗と名前。
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「あの2人…一緒にいるのが本当に自然になったよな」
いつの間にか、青子の後ろで2人を見送りながら桜井がポツリと呟く。
「本当にねー」
「最近あいつら2人でばっかり一緒にいるから、皆でどっか行きたいよな」
そして気付けば青子の周りに集合している恵子と林も口を開く。
「確かに!!青子お祭りとか行きたーい」
「よしっ!計画立てようぜ!」
「えー、青子は今から委員会行かなきゃなのに」
2人がいなくなった教室で、相変わらず青子達は元気に盛り上がっていた。
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「名前が今日行く舞台って劇場、宇宙だろ?」
並んで歩く快斗がニヤリと笑って名前を見る。
「そうよ、快斗も来るんでしょ?」
「んー?ま、詳しいことは秘密な」
「もう…新一も来るんだから気をつけてよ?」
「大丈夫だって!」
(あの探偵のおっちゃんの推理も、だいぶ検討違いだったしな)
快斗は昨日、鳩に着けていた盗聴機で聞いた会話を思い出して苦笑しながら、名前の頭をくしゃりと撫でる。
「…それより、名前って俺の"仕事″応援してくれてるんだよな?」
「え?うん…それはもちろん。新一達の手前…そんなに堂々とは快斗の味方とか、お手伝いは出来ないけど」
「……俺は、今回はオメーの事を驚かしちまうかもしれねぇんだけど…」
「?」
名前は、何となく歯切れの悪い快斗に首を傾げるが、快斗はそれ以上は話せないのか、言いにくいのか黙り混んでしまう。そんな快斗の様子を見て、名前は言葉を選びながら口を開く。
「私は……快斗が、無事に仕事を終えて戻って来てくれるためなら…ある程度の事は理解してるつもりよ?だから無理して話さなくても大丈夫。私は、快斗に何かある方が嫌だもの」
名前は、安心させるようにニッコリと笑って快斗を見る。
「快斗が無事に帰って来るの待ってるから…私の事は気にしないで。頑張ってね?」
そして、それだけ言うと隣を歩く快斗の手をギュッと握る。
「もーっ!!名前ちゃん大好き!!」
調子を取り戻した快斗は、ガバリと道中で名前に抱き着きながら大声で叫んだのだった。