「銀翼の魔術師」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「怪盗キッドがよこしたこの予告状には、3つのWと、1つのH…つまり"誰が、いつ、どこで、どうやって″が示されているのです!!」
「なるほど…!」
名前とコナンが不安気に推理を始めた小五郎を見つめる中、樹里は笑顔で小五郎の推理に耳を傾けていた。
card.230
「まず、"誰が″…これは言うまでもありません…怪盗キッドです。次に、"どこで″…これは、"ロミオとジュリエット″を上演した劇場、宇宙の舞台上です」
「……。」
「そして、"いつ″…予告上にある"ブラボー″からして、それは観客から喝采を受ける時。最後に"どうやって″…"ビクター″は、征服者…これはナポレオンの事で、怪盗キッドが変装する人物を示します」
小五郎はスラスラと自分の推理を披露していく。
「……さらに、予告状にあるトランプ!その2つに割れたトランプは、勝利のVサイン!…つまり、怪盗キッドは今…あなたが出演している"ジョセフィーヌ″の舞台の喝采を受けるまさにその時…ナポレオンの姿で、その指輪を盗みに現れるのです!」
---パチパチパチ!!
「ブラボーッ!毛利さん!さすが、名探偵ですわ!」
推理を話終えた小五郎に、樹里は笑顔で拍手をする。
「いゃぁ…それほどでも!」
小五郎は頬を染めて高笑いする。
「……。」
(割れたトランプが…勝利のVサイン?)
名前は納得がいかずに、隣に座るコナンが持つ予告状を覗き込む。
「ねぇ、おじさん…この"26つの文字が飛び交う中″っていうのはどういう意味?」
「バーロー!!その上に書いてある英語の文字を数えてみろ!全部で26文字だろーが?」
コナンの問いに、小五郎は当然だろ?というようにそう返す。
「あら…この文字は22文字しかないですよ」
「本当だー、"!"を入れても3文字足りないわね」
予告状を覗き込む名前の言葉に、同じく文字を数えていた蘭も賛同する。
「え゙っ!?……そ、れは…キッドが数え間違えたんだよ!」
(オイオイ…それはねーだろ)
小五郎が、タラリと汗を流して呟いた言い訳に、コナンは呆れたようにジト目を小五郎に向ける。
「………。」
(うーん、いくら快斗でもそれはないと思うけどな)
名前は頬杖をつきながら、小五郎の推理に苦笑する。
小五郎は1つ咳ばらいして、仕切り直すように会話を再開する。
「と…とにかく!次の舞台でキッドが宝石を狙う事は間違いありません」
小五郎の言葉を聞いて、樹里が不安気に眉を寄せながら頷く。
「はい…そこで、ご相談なんですが。もちろん警察にも連絡はしますけれど…。次の舞台、劇場へいらしていただいてキッドからこの宝石を守っていただけないでしょうか?」
「良いでしょう!不肖この毛利小五郎…美人の依頼は断った事がありません!!」
「………はぁ」
気合いの入って小五郎の言葉に、蘭は呆れたようにため息をつく。
「ありがとうございます!…これは舞台のチケットです。お知り合いの方も、ご一緒にどうぞ!」
「これはどうも…」
小五郎は笑顔で樹里からチケットを受け取る。
「………。」
(26の文字が飛び交う中…か。26字の文字といえば、アルファベットだが…)
そんな中、コナンは黙って予告状を見つめながら考えを巡らす。
---バサッ!
「………ん?」
その時、探偵事務所の前の電線から白い鳩が飛び立つ。
(気のせいかしら…?)
名前は、その直後に視線を感じて窓の外に目を向けたが、既にそこには何の姿も見えなかった。