「銀翼の魔術師」編
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---毛利探偵事務所
「……これが怪盗キッドからの予告状ですか」
「はい。今朝、自宅のマンションのベランダに大きな薔薇の花束を添えて置いてあったんです」
そう説明するのは、女優の牧樹里である。
「はは……相変わらず気障な野郎だぜ」
コナンは頬杖をついて呆れたように小声で呟きながら、隣にいる名前を見る。
「………。」
(分かってたけど、やっぱり新一の視線が痛い…)
card.229
*銀翼の奇術師編
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Romeo
Juliet
victor
Brdvo!
26の文字が飛び交う中
運命の宝石を頂きに
参上する
怪盗キッド
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予告状に添えられたいつものキッドのマークの横には、2つに割れたトランプの絵が描かれている。
「…………。」
並んで座る名前とコナンは、予告状の内容について考え始めたのか、2人とも黙ったまま眉を寄せている。
「…どうぞ」
蘭が樹里とその隣に座っている樹里のマネージャーである矢口真佐代にお茶を出す。
「ありがとう」
矢口はニコリと笑って受けとるが、樹里は黙ってお茶に口をつける。
「あの…いかがでしょうか?毛利先生」
予告状を見ている小五郎に、矢口が不安気に声をかける。
「そうですなぁ…この"運命の宝石″というのは?」
小五郎は予告状の文字を指差しながら樹里に尋ねる。
「…それは、これの事です…」
樹里はスッと宝石の入った小箱を取り出す。
「ほぉぉ…」
「わぁ…素敵ね」
キラキラと輝く宝石に蘭は高い声をあげる。
「スターサファイアですか?」
宝石を見た名前の言葉に、樹里は小さく頷く。
「ブルーサファイアをこよなく愛した、ジョセフィーヌに因んで今回の舞台でも使っています」
「舞台…?」
「あ!私、知ってます!汐留に新しくオープンした劇場…"宇宙″で今…"ジョセフィーヌ″という劇をやってらっしゃるんですよね?」
きょとんと首を傾げる小五郎の横で、蘭が興奮気味に樹里に尋ねる。
「……ジョセフィーヌ?」
「ナポレオンの最初の王妃ですよ。…確か、薔薇のコレクターとしても有名だったわ」
舞台の演目を聞いてもピンときていない小五郎に、名前が小声でそう教える。
(なるほど…それで薔薇の花束を)
コナンは名前の説明を聞いて、キッドの行動に納得したように小さく頷く。
「分かりましたよ…!」
名前が机に置かれた予告状を見つめながら予告状の意味について考えていると、突然小五郎がいつもの如く声をあげる。
「び、びっくりした…」
(おいおい…大丈夫か?)
名前が小五郎の声に驚いて肩を揺らした横で、コナンは心配そうに眉をよせて、得意気に自分の考えを語りはじめる小五郎に目を向けたのだった。