挿話編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「名前…あんたいい加減、彼氏紹介しなさいよね」
日曜日の昼間。とある喫茶店で、険しい顔で園子に詰め寄られた名前は困ったように微笑んだ。
card.228
「そうね…名前の彼が良いなら、私も一回会ってみたいな」
蘭も控えめに園子に賛同する。
「ふふ…機会があったらねって、いつも言ってるじゃない。」
「"機会″なんて作らなければ、永遠にないのよ!!」
園子はバンッとテーブルを叩いて、名前にグイグイと詰め寄る。
「……。」
(困ったわね…)
名前は、苦し紛れに一口お茶をのんでから口を開く。
「…でも、まだ付き合って数ヶ月よ?…2人に紹介するなら、もう少し落ち着いてからが良いなーなんて思うんだけど」
「そんなもんー?」
「でも確かに、彼氏さんも付き合ってすぐに周りに騒がれたら嫌なんじゃない?」
名前の言い訳を聞いても園子は納得いかないようだが、蘭は苦笑しながら同意してくれる。
「ったく~!落ち着いたらちゃんと紹介してよね!!…いつまでもこんな感じだと、名前の妄想だと思っちゃうわよ」
「さすがにそれはないわよ…園子は相変わらず失礼ね」
名前は小さくため息をつく。
「あっ!!」
「どうしたの園子?」
会話が一区切りついたところで、急に時計を見て慌てて立ち上がる園子。それを見た蘭は首を傾げる。
「今日、14時から姉貴と約束してたんだった!!」
「あら…もう13時半すぎよ。間に合うの?」
名前は腕時計を見ながら眉を寄せる。
「急いで帰るわ!!名前、蘭!ごめん…またねっ」
ガタガタと席を立ち、伝票に1枚お札を挟むと園子は早足で店を出ていく。
「うん、また学校でねー」
「…園子!そんなに走らないで、気をつけてね」
慌ただしく去って行った園子を見送った名前と蘭は、相変わらずの園子の賑やかさに小さく笑い合う。
「ねぇ、名前はこの後って時間あるの?」
「え…何にもないわよ」
「じゃあ…家に来ない?」
「…探偵事務所に?」
「…実はね、怪盗キッドからの予告状を受け取ったって人が夕方家に来るのよ。その人勇名な女優さんみたいでね…お父さんだけじゃ何か心配だから、名前にも一緒に聞いてくれないかなって思って」
「………え?」
(快斗…昨日の夜はそんな事言ってなかったのに…また何か仕事するのね)
「名前…?」
ぼんやりと昨日の快斗の様子を思い出していると、蘭が怪訝そうに名前を覗きこむ。
「え?…あぁ…私で役にたつのか分からないけど。別に構わないわよ」
(キッド絡みだから、また新一には睨まれそうだけど…)
「本当!?良かったー、じゃあ行きましょう!」
そう言いながら蘭は立ち上がる。
「本当は園子も誘おうと思ったんだけどね…さすがに、予告状の当日には誘わないと後で怒られそうね…」
「……確かにね」
名前は苦笑しながらも、蘭に続いて席を立った。