「奇術愛好家連盟事件」編
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card.226
その後、警察のヘリで小五郎と目暮が到着し…田中が素直に自首をして事件は静かに幕を閉じた。
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「蘭…いい加減に園子を止めて」
「無理よ…こうなったら止められないの、名前も知ってるでしょ?」
しかし、静かじゃなかったのは園子。なんと名前と蘭とコナンは事件が終わったその足で、園子に有無を言わさずにカラオケに引っ張り込まれ…
「あぁ~♪キッド様ぁぁ…」
延々と早数時間。園子の涙ながらのオンステージに付き合わされている。
「そんなに…怪盗キッドに会いたかったのね、園子」
名前はソファに寄り掛かり、小さく呟きながらため息をつく。
「…オメー、"あの男″ここに呼んでやれよ。いつまでも終わんねーぞ、これ」
「ちょっと…冗談言わないでよ」
~♪♪~♪
既に我慢と疲労の限界なのか、うとうとし始めている蘭。
その横で、コナンがジト目で名前に小声で呟く。
「…ったく、オメーも園子も。よりにもよって何であんな野郎が良いんだか…」
不機嫌さを隠す事もなくブツブツ言いながら、眠気覚ましにお茶をゴクリと飲み干すコナン。
~~~♪~♪
そんな中、室内には先程とは違うメロディーが響き始める。
「あー、また違う曲…園子は元気ね」
名前は呆れたように呟く。
「だから…あの男呼んでくれ。頼むから…。」
「馬鹿ね…正義感丸出しのあなたに、正面切って紹介出来るわけないでしょ」
「……。」
名前からサラリと呟かれた冗談とも本音とも言えないその台詞。
コナンは、自分の隣で眠そうに目を細めて頬杖をつく名前の横顔をジッと見つめる。
(こいつ…だから彼氏を蘭達にも紹介しねーし、名前も言わねぇのか…)
「……本当、大馬鹿だな」
「え?何か言った?」
ポツリと呟いたコナンの言葉に、名前は視線をコナンに向ける。
「いや……何でもねぇよ。……お、やっと終わるみてーだぜ?」
ようやくマイクを置いた園子を見て、コナンはため息をつきながら立ち上がる。
「ふぅ…もうここに来てから5時間よ。長かったわね。……蘭、蘭!起きて。帰るわよ」
コナンは蘭を起こす名前をぼんやりと見つめる。
(あの野郎が…そんなに大事なのかよ)
ロッジで言葉を交わす二人は、ごくごく自然体で気心しれた友人のような、それでいてお互いを信頼し大切にしているような…穏やかな雰囲気だった。とても、若さゆえの一時の盛り上がりで一緒にいるようには見えなかった。そして、長年の付き合いである自分や蘭たちに隠し事をしてまで関わりを継続している。
コナンは、自分は今後どうしたものかと思い悩みながら、大きくため息をついた後に鞄を持って立ち上がった。
*奇術愛好家連盟事件fin