「奇術愛好家連盟事件」編
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「「は…春井風伝の孫娘!?」」
「じゃあ、まさか……」
「そうよ…おじいちゃんは、私のIDを使ってあなた達と交信してたのよ。"イカサマ童子″っていうハンドルネームでね」
card.223
「それに気づいたのは…おじいちゃんの遺品を整理してて、例のチャットの記録を見つけた時よ。変だと思ったのよね、昔みたいな体力も…もう残ってないのに"脱出奇術をやる″って言い出した時は…」
田中は悲し気にそう話始める。
「でも…あれは…」
黒田は申し訳なさそうに口を開くと、田中はそれを遮って小さく頷く。
「ええ……おじいちゃんが勝手にその気になって、勝手に死んだだけ。別にあなた達の事は恨んじゃいないわ」
「だったら…どうして?」
蘭の問いに、田中は眉を寄せて口を開く。
「………どうしても許せなかったのよ」
「え…?」
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--脱出王:いやー舞台の上で死ねて彼も本望でしょう(笑)--
--消えるバニー:年寄りの冷や水ってやつですか?(^^;)--
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「おじいちゃんが事故死した後の西山さんと、浜野さんの…あのコメントだけは。……知らなかったでしょうけど、おじいちゃん…あの脱出奇術が成功したら、みんなに自分の正体を明かすつもりだったのよ?」
「「……え?」」
「"何とか成功いたしました!皆さん、楽しんでいただけましたか?イカサマ童子こと春井風伝より″ってね…パソコンに残ってた未送信のコメントを見つけて、何だか…悲しくて、悔しくて…どうにも止まらなくなっちゃったってわけ…」
田中の言葉に蘭が悲しげに眉を寄せる。
「でも……あの2人も"イカサマ童子″が、春井さんだと知ってたらあんな事……」
黒田の言葉を聞いて田中は小さく頷く。
「そうね…でも彼は気付いていたみたいよ…」
「彼って?」
「土井塔君よ。あのショーの前日に、彼からおじいちゃんに励ましのメールが届いていたから」
「しかし、何で彼が…?」
荒が首を傾げながらそう呟くと、ふいに今まで黙っていた園子の声が響く。
「…それは、おそらく彼も奇術の使い手だから…かな?」
「「…え?」」
「彼が?」
園子の言葉に、参加者達は意味が分からないというように首を傾げる。
「…あら、まだ気付いていないの?"土井塔克樹″はアナグラム。文字を並び替えると………」
どいとうかつき
↓
かいとうきつど
「「怪盗キッド…!?」」
「「えっ、何で彼が!?」」
"土井塔克樹″という名前から浮かび上がったその名前に、荒達は目を見開いていて土井塔がいるベランダへと目を向けた。