「奇術愛好家連盟事件」編
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『オメーだったら、ある程度のトリックは分かってんだろうけど…部屋にメモが置いてあっから。その通りに頼んだぜ!』
「…ご丁寧にありがと」
card.220
名前は、コナンからボーガン受け取る時のほんの一瞬の会話を思い出しながら、小さく苦笑する。
「新一ったら…こんな丁寧なメモ、いつの間に書いたのかしら」
名前は、手元のメモを見ながらボーガンの仕掛けを用意していく。
「さて…と、こんな感じでだいたい良いかしら」
名前は、ボーガンと紐が繋がった矢を一通り最終チェックした後に、小さく頷くと立ち上がって窓に近付いていく。
「園子ー!!仕掛けの準備出来たわよ!」
ベランダに立って、林の中にいる園子達に向かって声をかけると、荒達がくるりと自分の方を振り返って来る。そんな中、園子の背中の影からひょこっとコナンが出てきて、自分に向かって大きく手を振る。
「名前姉ちゃん!!この木の根本に打ってね!」
「…分かったわ!」
名前は小さく息をついた後に、ボーガンを構える。
トリックの都合上、狙わなければいけない木が参加者達がいるすぐ側であるため、荒達が慌てたようにその木の側から離れる。しかし、目標の木から2本離れた木にもたれている園子は、麻酔銃の影響で眠っているため、その場から離れる事が出来ない。
(さすがに…あの木を狙って園子がいる所に飛ばすほど下手じゃないと思うけど、気をつけなくちゃね)
名前は、自分を落ち着かせるように小さく息をついてボーガンを構えると、片目を閉じて狙いをさだめる。
「…いくわよー!」
---ポンッ
「待った!」
しかし、矢を発射しようとしたタイミングで突然誰かに肩を叩かれる。
「…え、」
「僕が変わりに撃ってあげるよ!こういうの得意だから!」
「……土井塔さん、いつの間に…」
いつの間にか自分のすぐ後ろに立っていた土井塔に、名前はおどろいて目を丸くする。
「いいかい、園子探偵?」
しかしそんな名前を尻目に、土井塔はサラリと名前の手からボーガンを抜き取ると、ベランダから園子に向かい声をかける。
「え、ええ…構わないわ」
(あいつ、いつの間に!?)
コナンは名前の隣に立つ土井塔の姿に眉を寄せるが、その申し出を断るわけにもいかず、戸惑いながらも園子の声で了承する。
「そんじゃー、お言葉に甘えて!」
---パシュッ!
「…よし、ビンゴ!」
見事に目標の木に矢を命中させる土井塔。
「喜ぶのは…もう1本の矢を撃ち込んでからよ!!今刺さった木の丁度向こう側の林の木の根本にね」
「…了解!」
---パシュッ!
土井塔は見事に指定された木にもう1本の矢を命中させる。それを確認して、コナンは推理を進めていく。
「そう…矢によって作り出された紐の形が…まるでヨットのマストに張られた2枚の帆を形どる様に……」
「「こ…これは!?」」
「あら…まだ分からない?さぁ、土井塔さん!死体に見立てた布団を出して、それを縛った紐に着いている小さな輪に、ヨットのマストにあたる2本の紐の片方を通してちょうだい!!」
名前が用意しておいた布団を土井塔に渡すと、土井塔は園子の言う様に布団を紐に通していく。
「そして…その布団をベランダから下にロープウェイの様に降ろせば……」
---スルスル…
園子の言葉と共に、布団は紐を伝い空中を裏庭に向かって進んでいく。
---ドサッ
「…死体は見事に裏庭の中央に移動するというわけよ」
そして、見事に倒れている浜野のすぐ脇に死体に見立てた布団が運ばれたのだった。