「奇術愛好家連盟事件」編
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「血塗られた奇術ショーを再現するって…!?」
「もしかして分かったの?あの不可能犯罪の謎が!」
「ええ…もちろん」
動揺する黒田達の言葉に、園子は自信たっぷりに言い放った。
card.219
「…雪に足跡を残さず、浜野さんの死体を裏庭の真ん中に運んだトリックも……それを実行したのが誰なのかもバッチリね…」
参加者達が園子の言葉に目を丸くするなか、園子は冷静に言葉を続けていく。
「……さて、私はここでトリックを説明するから、再現するには誰かに手伝ってもらわないといけないわね。名前、手伝いを頼んでも良いかしら?」
突然園子に指名された名前に、参加者達は一斉に視線を向ける。
「………はいはい」
一気に視線を自分に向けられた名前だったが、さして動揺もせず軽い調子で返事を返す。
「…なら、そのボーガンを持って3階の浜野さんの部屋に行ってちょうだい。用意は全て整えておいたから…」
「…分かったわ」
名前は小さく頷くと、ボーガンを手に早足でロッジへと向かって行く。
「で、でも…ボーガンで…どうやって?」
名前がロッジに向かう姿を見ながら、荒が戸惑いがちに尋ねる。
「ボーガンだけじゃ足りないけど…長い紐とハサミがあればこの不可能犯罪は可能になるのよ」
「え?」
「まず、2本のボーガンの矢の後端に穴を空けておき、そこに紐を通して小さな輪を作って結ぶ」
「輪を作って…」
「穴を空けて、結ぶ…?」
スラスラとトリックの仕掛けを述べていく園子の言葉を聞いて、荒や黒田は頭の中で整理しながら何とか園子の話についていく。
「その2つの輪にあらかじめ長さを測っておいた紐を通すのよ!紐の中間に別の2本の紐を結わえた長い紐をね…そして、輪に通した長い紐の両端をベランダの手すりに結びつければ準備はOK!…後は、矢を1本ずつボーガンで撃ち放つだけ……」
「ちょ…ちょっと、園子ちゃん?」
「そんな一気に説明されても…分からないな」
荒達の戸惑ったような言葉に、園子はフッと小さな笑みを漏らす。
「大丈夫…そのために再現するんだから…」
「園子ー!!仕掛けの準備出来たわよ!」
すると、ちょうど良いタイミングで3階のベランダから名前が顔を出して、園子に向かってそう叫んだ。