「奇術愛好家連盟事件」編
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「……ックシュ、」
「大丈夫かい?」
ワイン蔵を見るために外に出た名前達だったが、外に出たり中に入ったりして寒暖の差が激しかったせいか、名前は小さくクシャミをしながら身体を軽く摩る。
すると、それを見ていた土井塔が自分のパーカーを名前の肩に羽織らせながら、心配そうに声をかけた。
card.215
名前は、思わぬ行動に僅かに目を見開いて隣を歩く土井塔を見る。
「土井塔さん…」
「それ使ってよ。僕は見ての通りこんな身体だからさ!寒くないんだよ」
土井塔はポンッと、お腹を叩きながら苦笑いする。
「……本当ですか?」
「え、」
「あなた…"見た目″は確かに豊満な体型ですけど…本当はあんまり暖かくないんじゃ……」
「ここがワイン蔵だよ!」
名前の言葉を遮るように、前を歩く荒が声をあげる。
「ほら?上の2つの鍵が新しくつけた鍵だよ」
「本当だぁ…いっぱいついてる」
荒が指差しながら鍵の説明を始めたため、名前と土井塔も自然と会話を中断してワイン蔵の扉に視線をうつす。
「でも、どうしてこんなにたくさん鍵を?」
蘭が不思議そうに首を傾げる。
「ついこの間、ロッジを空けていた時に泥棒に入られたんだよ。ここには金目の物はワインくらいしかないからね…」
荒は小さくため息をつきながら呟く。
「この辺やけに足跡がたくさんあるな…?」
「ここに着いた時、みんなでロッジの周りをぐるりと一周したのよ。確かに多い感じもするけど、不自然な量じゃないわ」
「…ふぅん」
コナンが足跡を見ながら険しい顔で呟くのを聞いて、名前は小声で説明する。
「…さぁ坊や、もう良いだろ?中に戻ろう」
名前と小声で話すコナンに向かって、コナンに視線を合わせるために屈み込んだ荒が尋ねる。
「……。」
(荒さんって凄く優しい人よね…。せっかくのオフ会がこんな事になって可哀相。このロッジも荒さんの所有物だし…)
名前は今までの荒の細かい言動を見て、そんな事を思いながらコナンに話しかける荒を見つめる。
「…ついでだから風呂焚き場も見せてよ!」
「おいおい…」
無邪気な子供も装ってそう言うコナンに、困ったような顔をする荒を見て名前は苦笑した。