「奇術愛好家連盟事件」編

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「…しかし、何で殺されたんだろう?浜野さんと西山さん」

ふいに荒が呟いた言葉に、黒田が不安そうに眉を寄せる。

「…犯人が"影法師″さんなら、やっぱり…この前のチャットが原因なんじゃない?」

「……チャット?」

名前はそんな2人の会話を聞いて、首を傾げた。

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「チャットって…パソコンから電話回線を使って、リアルタイムで多人数が話し合い出来る…イベントの事?」

コナンの言葉に田中は小さく頷く。

「話し合いって言っても…モニターに打ち出させる文字と文字との会話だけどね」

「へぇ…」

蘭は初めて聞いたのか、感心したように小さく声をあげる。

「でも…何でそれが"殺人の原因″に?」

名前は話が繋がらずに、首を傾げて黒田に尋ねる。

「実は、ある手品師の事で口論になったの」

「……知ってるかい?昔、日本の"脱出王″と言われた春井風伝という老人の手品師」

「…確か、先月ショーの最中に事故で亡くなられた?」

荒の質問に名前は戸惑いながら答える。

「…そう。その事故の話題を皆で話していた丁度その時、突然影法師さんが妙な事を言い出したんだ……"あの偉大な奇術師が死んだのは、貴様らのせいだ″って…」

「え?」

「どういう意味ですか?」

名前や蘭は、首を傾げる。

「半年前…"チャット″で昔流行った脱出ショーの話で盛り上がっていたのよ。"…そろそろ誰かやってくれないかなー″って」

「その矢先にあんな事故があったから…影法師さんが言うには、僕達があんな話しをしたからだっ!!…ってね」


「………。」

名前は黙って黒田達の話を聞いている。

「実は私も気になってね…一応確認したんだが、半年前の参加者に春井さんらしい人はいなかったよ。でもIDの人物が本人とは限らないし、誰かがそのチャットの記録を見せたって事も考えられるし……それでボードリーダーの西山さんと相談して、今回のオフィス会を企画したんだ。半年前のチャットに参加していた人を集めて直接確かめた方が早いからね…」

「…そ、そうだったんですか?」

荒の思いがけない告白に、オフ会の開催の理由を知らなかった園子は目を丸くする。

「でも最近よね?…"影法師″さんが"奇術愛好家連盟″に入ったのって。何で半年前のチャットの事を知ってたんだろう?」

黒田が不思議そうに眉を寄せる。

「…それも本人に確かめて誤解を解くために、"影法師″さんもオフ会に呼んだんだが」

荒は残念そうにため息をつく。

「そういえば…影法師さんいつも言ってたわよね?"私は空中を舞い、その姿を消滅させる事が出来る″って…」

「ちょ…ちょっとそれって…!?」

「…そうですね…もし犯人が影法師さんだとしたら、あの不可能犯罪でそれを実演した事になりますね…僕達の目の前で、血塗られたマジックショーをね…」

土井塔が険しい顔をして呟いた言葉に、一同は言葉を失って何とも言えない空気になる。


「……何だか冷えてきたわね。部屋から羽織るもの取って来ようかしら」

話をしていた内容のせいか、田中がブルッと身体を震わせる。

「……ハックション!!」

「ちょっと…しん、コナン君大丈夫?」

いきなり大きなクシャミをしたコナンに、名前が心配そうに声をかける。

「じゃあ…私も一緒に行きます。コナン君に暖かいセーターか何か取りに行きたいし」

コナンの様子を心配そうに見ながら、蘭が田中と共に立ち上がる。

「蘭……それなら私も行くわ」

名前も誰が犯人か分からないけどこの状況で、蘭を行かせるのは不安があり立ち上がる。

「…だったら僕も一緒に!大勢の方が安全でしょ?」

名前の言葉に続いて土井塔がそう言うと、名前の横に立って微笑んだ。
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