「奇術愛好家連盟事件」編
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乱雑に数枚置かれたままになっていた紙を、ペラリと1枚手に取る。
土井塔克樹
その紙には○も×も何のマークも書かれておらず、土井塔の名前だけが書かれていた。
(そういえば…あの奇術で土井塔さんは、何の係にも選ばれなかったわね)
card.210
(あの時…浜野さんが部屋にいたのは宴会部長に選ばれたから)
名前は、軽く頬杖をつきながら自分が手にとった紙をぼんやりと見つめる。
(浜野さんが…殺害されたのは、たまたま1人で部屋にいたからかしら?このオフ会の参加者なら無差別で狙うつもりなのか、それとも…元々狙いは浜野さんだった?)
「……ふぅ、」
名前は小さくため息をつき、軽く髪を掻きあげる。
(んー、そもそも犯人の狙いが分からないわ。今日は新一が調子悪そうだから、役に立ちたいけど)
名前はチラリと隣に座るコナンに目をやる。多少回復したとは言っても、先ほどまで熱があって倒れていたのだ。そんなコナンも、名前と同じような事を考えているのか眉間に皺を寄せている。
「………困ったわね」
名前は小さくため息をつく。
(………快斗は今頃どうしてるかな?)
名前は土井塔の名前が書かれた紙を指先でヒラヒラと動かしながら、ぼんやりと快斗な事を思い浮かべる。
(快斗も今回は泥棒じゃないけど、怪盗キッドの仕事あるって言ってたし…無茶してないと良いけど……ん?)
--土井塔克樹--
名前は、怪盗である時の快斗の姿を考えているとふいに自分の手の中の紙に書かれた文字が目に止まる。
(え…?)
「ど…いとう、かつ…き?」
「名前ちゃん、呼んだ?」
「え…あ、何でもないです。ちょっとこの紙見てただけで…」
「そうかい?」
紙に書かれた文字を見ながら思わず呟いたのを、本人に聞かれてしまい名前は慌てて首を横にふる。
名前の言葉に不思議な顔をしながらも、再び園子との会話に戻った土井塔。その横顔を、名前は手元の紙をギュッと握りながらしばらく見つめていた。