「奇術愛好家連盟事件」編
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「ええっ!?"影法師″の正体がわかった?」
その頃、麓の派出所では小五郎と目暮達が合流していた。
「本当ですか?警部殿!」
card.209
「ああ…正体とまではいかんが。今あのロッジに集まっている"奇術愛好家連盟″のメンバーの1人だという事が分かったよ」
「じゃ…じゃあ、そいつのIDを調べれば身元ぐらい簡単に…」
「調べたが、赤の他人だった」
「赤の他人…?」
小五郎は目暮の言葉に首を傾げる。
「ああ…奇術とは、およそ縁のない人物だ。ここ2年間パソコンには全く触ってなかったらしい。つまり、誰かがその人のパスワードとIDを勝手に使って"影法師″として通信していたという事だ」
「じゃあ…何も分からないも同然じゃないですか!?」
小五郎が落胆する。
「…ああ、それに問題はそれだけじゃない」
「…え?」
「いるんだよ…もう1人。あのロッジに集まっている人間の中に……"謎のID″を使って通信しておった"不審人物″がな」
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--ヒュォォォ…
謎の殺人鬼に狙われている可能性のある一同は、念のため1つの部屋に集まっていた。
「……私のせいかな?」
「え…?」
ふいに沈んだ声で呟く園子に、名前と蘭が目を向ける。
「だって…浜野さんを宴会部長に選んだの私だもん……あの時、浜野さんが1人で部屋にこもってなかったら、きっと狙われてなかった」
「そ…園子」
「気にする事はないよ」
ふいに優しい声が響き、園子はゆるりと顔をあげる。
「土井塔さん…?」
「君はあの時、目隠しされてランダムにカードを選び、印しをつけただけさ。宝くじに外れたからといって、数字の的に矢を放った人を誰も恨んだりしないだろ?あれと同じだよ」
「……。」
名前は、優しく園子に声をかける土井塔を見つめる。
「君はただ、浜野さんの手品の助手を演じただけだ。君が思い悩む理由はどこにもない……だろ?」
「は、はい…」
土井塔の言葉に、園子は小さく微笑んで頷く。
(良かった…土井塔さん、優しいのね)
名前は元気を取り戻した園子の姿を見て、息をつく。そして園子が落ち込む必要はないと、すぐに慰めてくれた土井塔に感謝しながら、チラリと土井塔の横顔に目線を向ける。
「手品の助手だと……?」
「…宴会部長や風呂焚き係を、紙を使った奇術で決めたのよ」
そんな中、名前の横で小さく呟くコナン。名前は、土井塔からコナンに視線をうつして、そっと耳打ちする。
「その"奇術″の内容も後で教えろよ!」
「はいはい…」
名前はそう言いながら、チラリと机の端に目を向ける。そこには、今話していたばかりの奇術に使った紙が置かれている。
(この紙…まだ残ってたのね)
名前は、何となくその中の1枚に手を伸ばした。