「奇術愛好家連盟事件」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
土井塔に続いてリビングに入ると、既にテーブルの上には数々の料理が並んでいる。
「あ、用意出来たんだね!」
机の上に並ぶ料理を見た土井塔が、嬉しそうに視線を向ける。
「ええ、座って!座って!」
笑顔の黒田に促されて、名前は席に座った。
card.207
「あら…浜野さんと荒さんは?」
名前は見当たらない2人の名前をあげる。
「宴会部長の浜野さんは3階の自分の部屋で手品のネタを思案中よ。荒さんはワイン蔵に行ったけど…」
--ガチャ
「うーっ、寒い!!」
「あ、来た!!」
ちょうど噂をしていたところに、荒がワインを抱えて肩を震わせながら入ってくる。
「"脱出王″さんと"影法師″さんは、まだ来てないみたいね」
全員が席についた所で、改めて田中が呟く。
「そうですね…ま、"影法師″さんはともかく…ボードリーダーの"脱出王″さんはそのうち…」
「来ないよ…!」
荒の言葉を遮るように、突然響いた声に皆が入口の方に振り返る。
(新一……)
名前は僅かに額に汗を浮かべて、息を乱すコナンの姿に目を丸くする。
「その人…殺されたよ!!自宅のマンションで…」
「こ、殺された!?」
コナンの言葉に一同は目を見開き、名前も眉を寄せて口を開く。
「コナン君…どういう事?」
「その人の名前、西山務っていうんでしょ?」
「あ、ああ…」
「じゃあ、ラジオで聞いたとおりだ。間違いないよ…僕は、それを伝えるために戻ってきたんだ…皆に危険が迫ってるってね!」
「で…でも、それで何で私達まで危ないの?」
「殺された西山さんのそばにあったパソコンのモニターに伝言が残されていたんだ」
「…伝言?」
「…"まずは…1人目。 影法師″ってね」
「「なっ…何だって!?」」
不気味な伝言の内容に、参加者達は顔を青くする。
「…そういえば、以前ネット上で2人の口論に浜野さんが口を挟んでとばっちりを受けてたわね……」
名前は田中の言葉を聞いて、ガタンと立ち上がる。
「名前?」
蘭と園子が、首を傾げて名前を見上げる。
「とにかく、浜野さんもここに呼びましょう。コナン君の言ってるメッセージの言葉が、もし連続殺人を示すものなら別行動は危険だわ」
「……そうだな」
名前の言葉に納得したように皆立ち上がり、浜野の部屋に向かう事になった。
---コンコン
「浜野さん?浜野さーん、……返事がないな……浜野入りますよ~?」
荒が何度かノックしても返事がない浜野の部屋の扉を、声をかけながら開く。
「いない…?」
「あら…、窓が開いてるわ」
((まっ…まさか!?))
名前とコナンは、同じタイミングでダッとベランダまで駆け寄ると下を覗き込む。
「どうやら…」
「…下には落ちてないみたいね」
同じ事を考えていた2人はそう呟くと、小さく安堵の息をつく。
「ね…ねぇ、」
そんな2人の後ろで、蘭が震えたような声を出す。
「あれ…!」
蘭が指さした方向に視線を向けると、コナンと名前は息をのみ目を見開く。
「あれ…浜野さん?」
「嘘…なんであんな場所に?」
蘭が指差したのは雪が積もる広い裏庭のちょうど真ん中あたり。そこに、浜野がポツンと倒れている。
「そんな…馬鹿な…」
名前はその光景をしばらく呆然と見つめたあとに、小さく息をついてキッと視線を強くする。
そして裏庭に向かう一同の後を追って駆け出した。