「奇術愛好家連盟事件」編
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役割を言い当てられた一同は、それぞれ自分の役割を果たすため自然と別行動になる。
---ガラガラ
そんな中、名前は台所で1人小さくため息をつきながら手を動かす。
「…名前ちゃん?」
すると、ふいに後ろから声をかけられて手を止めて振り返る。
「……土井塔さん」
振り返った先にいたのは、ニコリと微笑む土井塔だった。
card.206
「それ…氷枕?」
土井塔が名前の手元を覗きこんで尋ねる。
「ええ。コナン君、まだ熱があるので」
名前は、ガラガラと氷を袋に詰めながら頷く。
「……心配かい?」
「え?はい…心配ですよ」
名前は土井塔の質問に、怪訝そうに首を傾げる。
「いや…もちろん僕もあの子の体調は心配だけど……名前ちゃんが心配してるのは、あの子のあの言葉…でしょ?」
考えの読めない笑顔て尋ねる土井塔をジッと見つめて、名前は小さくため息をつく。
----逃げろ……は、早く…ここから逃げろ--
「コナン君は…」
「うん?」
パチンと氷枕の口を閉めて、名前は顔をあげる。
「……コナン君は、あんな子供ですけど…悪ふざけや勘違いであんな事を言うような子じゃないので」
名前は口を閉めた氷枕を抱えながら、ポツリと呟く。
「そうか……何も起こらないと良いね」
土井塔はそう言いいながら小さく微笑む。
「………そうですね」
(この人の言葉…当たり障りのない言葉のはずなのに、なぜか安心するわね)
「彼の部屋に行くんだろ?僕も付き合うよ」
そう言いながら、土井塔は名前の横に立つ。
名前は特に断る理由もなかったため、土井塔は並んでコナンが休む部屋へと向かって行った。
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--
--カチャ、
静かに扉を開いて名前は室内に入る。
「蘭…氷枕持ってきたわよ、どう?コナン君の様子…」
「ありがとう…名前。…と、土井塔さん?」
「やぁ…その子の事が心配でね。どうだい調子は?」
土井塔も小さく手をあげながら、名前に続いて部屋に入る。
「熱は…だいぶ下がって微熱くらにいなりました。苦しそうだったのも落ち着いたみたいで…」
「本当?良かった…よく寝てるわね」
名前は、起こさないようにそっと氷枕を変えながら微笑む。
「……これだけ落ち着いたなら、付き添っていなくても大丈夫なんじゃないか?君も少し休むと良い。もうすぐ宴会の準備が出来るようだよ」
土井塔は優しく蘭に声をかける。
「え?でも…」
そう言われても、蘭はコナンが気になるようで困ったように眉を寄せる。
「そうね、少しくらいなら大丈夫よ。蘭…コナン君が来てからずっと付きっきりでしょ?少しは何か食べないと。一緒に行きましょう」
名前も土井塔の言葉に頷くと、ニッコリと笑って蘭を誘う。
「…大丈夫かな?」
「大丈夫よ、コナン君なら」
(中身は高校生だし…)
名前は、チラリとベッドで静かに眠るコナンの姿を見ながら答える。
名前と土井塔の誘いに、蘭は少し迷ったあとに小さく頷くと、宴会の準備が行われているリビングへと向かった。