「奇術愛好家連盟事件」編
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「コナン君!しっかり!コナン君っ!?」
気を失ったことに動揺したのか、必死にコナンの名前を繰り返して呼び掛ける蘭の肩を、名前はトントンと叩く。
「……名前?」
「蘭、落ち着いて」
名前はコナンの身体全体を確認するようにしながら、真剣な顔で蘭に声をかける。
「……熱は高そうだけど、見た所怪我もしていないし…普通の風邪だと思うわ。ただ、ここまで走って来たみたいだし…それで意識が朦朧としてるのよ」
名前は、ぐったりしているコナンを抱え上げて蘭と園子を安心させるように微笑む。
「…だけど、とにかくどこか部屋を借りて安静にして休ませないと」
「…だったら、僕が荒さんに部屋を貸してもらえるように聞いてくるよ!」
「…土井塔さん、すみません。お願いします」
ふいに自分の後ろから聞こえた提案に名前が振り返ると、ニッコリと笑う土井塔の姿。
名前は、土井塔を見つめて少し考えを巡らせたが、結局コナンの体調を案じて土井塔の提案に甘えたのだった。
card.204
「ええ!?この子が玄関に倒れてた?」
「そうなんです」
蘭は心配そうにコナンの額に冷たいタオルをあてているため、園子が他の参加者達に事情を説明する。
「しかし何でまた…」
「きっとここに泊まりたくてしかたなかったのよ…ほら、この子帰る時に駄々こねてたし」
「…違うと思うわ」
「え?」
黒田の言葉を、蘭の隣でコナンの様子を見つめていた名前が小さく否定する。
「コナン君…倒れる前に言ってたんです。……"逃げろ…早くここから逃げろ″って」
名前のその言葉を聞いて、一同は僅かに顔を曇らせる。
「なにそれ…?」
「一体どういう意味だ?」
「……。」
(新一が…ここまでして戻ってきたには何か理由があるはず)
ザワザワと皆が思い思いの考えを口にする中、名前は黙って考えを巡らせる。
(それに、おじさんが一緒に来ないのも不自然だわ。新一が戻って来た時間を考えたら、多分…山を下っている途中に引き返したって事よね。……新一をそうさせる理由として……考えられるのは…)
名前はそこまで考えて、チラリと室内のメンバーを見渡す。
(……何が起きているのか分からないけど。さっきの新一の言葉もあるし、あまりこの人達を信用しない方がいいのかも。とにかく新一の目が覚めるまでは何とか対応するしかなさそうね)
名前は小さくため息をつく。名前の浮かない気持ちとは裏腹に、オフ会参加者達はコナンの事をただの子供としか思っていないため結局コナンの言葉をさして気にせずに夜の宴会の話をし始めていた。