「奇術愛好家連盟事件」編
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「早く!!おじさん、急いでっ!」
--ヴォォォ!
激しいエンジン音をあげて、車は山道を進んでいく。
「うるせぇ!これ以上とばせねぇよ!」
猛スピードで走る車内で、コナンは焦った表情を浮かべて前を見つめている。奇術愛好家連盟の参加者が何者かに殺害されたニュースを聞いて、コナンと小五郎は名前達と別れたロッジへと戻っていた。
card.203
---ゴォォォ!
「つ、吊橋が燃えてる!?」
「…っ!」
車を飛ばしようやく吊橋にたどり着いた2人だったが、ロッジへ続く吊橋は真っ赤な炎をあげて燃えていたのだ。
「おいおい…あのロッジに行くのは、この橋しかねーじゃねーかっ!!」
小五郎は地図を見ながら悔しそうに眉を寄せる。
「……。」
コナンは小さく唇を噛んで吊橋をジッと見つめた後に、覚悟を決めて口を開く。
「…おじさんは、急いで警察を呼んできて…」
「お、"おじさんは″…って…お前…」
小五郎はコナンの言葉に、地図から顔を上げて怪訝そうにコナンを見る。
---ダッ!
「お…おいっ!?」
すると、コナンは今にも燃えつきそうな吊橋に向かって駆け出していく。
---グォォ…
「うわっ!」
コナンが駆け出したすぐ後に、吊橋がブツリを音をたてて燃え広がりながら少しずつ谷底に切れ落ちていく。
「らぁーんっ!」
コナンは、足場がどんどんと燃え落ちて行く吊橋を必死に駆けて進んで行った。
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「………あれ?おかしいな、この電話が繋がらないぞ」
「おかしいわね…昼間は使えたわよ。夜の雪の影響かしら?」
浜野と田中が電話の前で首を傾げる。
「………。」
(…この程度の雪で電話が使えなくなるなんておかしいわね)
名前は、何となく嫌な予感がして眉を寄せる。
「……ちょ、ちょっと蘭?」
名前がそんな事を考えながら電話を見つめていると、後ろから園子の焦ったような声が聞こえて振り返る。
「どうしたの、園子」
「……蘭が、誰かに呼ばれたような気がしたって玄関を見に行くって言うのよ」
「え…?」
名前は小さく眉を寄せて、慌てて蘭の後を追う。
「名前ちゃん!」
しかし玄関に向かう途中、急に肩を叩かれて名前は足を止めて振り返る。
「…土井塔さん?」
「どこに行くんだい?」
「ちょっと…玄関に…」
「コ…コナン君っ!?」
「ちょっと!どうしてこの子がこんな所に倒れてるのよ!?」
名前の言葉を遮るように玄関から聞こえた蘭達の声に、名前はハッと振り返り土井塔を置いて玄関へ駆け出す。
「……!」
そんな名前の背中を、土井塔も眉を寄せながら追いかけた。
「蘭…どうしたの?…………しん、コナン君っ!?」
名前は玄関から外に出ると、玄関前の雪上にコナンが息を絶え絶えに倒れている。蘭達はちょうどコナンの側に駆け寄る所だった。
「……凄い熱」
「……!」
蘭がコナンの額に触れて呟いた言葉を聞いて、名前もコナンに駆け寄り額に触れてみるが、その熱さに目を丸くする。
「……ハァ、蘭…」
「こ…コナン君っ?」
「に…げろ、早く……ここから、にげ……ろ…」
コナンは虚ろな目でそう告げると、ガクリと意識を失ってしまう。
「コ、コナン君!?」
「しっかりして!!」
蘭と園子は意識を失ったコナンを見て、顔色を変えて必死に呼び掛けた。