「からくり屋敷」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
---ゴォォォ
------ザァァァ!
宝石を元の位置に戻したためか、屋敷から流れ出る水の勢いは徐々に弱まって来る。
「ふぅ…何とか助かったな。」
「流されちゃうかと思ったね~」
名前達は、全員屋敷の屋根の上で何とか激流から逃れられた事に安堵したのだった。
card.192
「あのダイヤモンドが、この大仕掛けのスイッチになっていたのね…」
名前は勢いが弱まったとはいえ、まだ音を立ててうごめく水の流れを見ながら小さく呟く。
「つまり…宝石を盗らせる気は最初かななかったってわけね」
「ええ」
名前の隣にいる灰原も、濡れた髪を掻き上げながら呆れたようにため息をつく。
「ダイヤモンドは、かつてその何物を寄せ付けない硬さから"アメダス″…つまり"征服されざる物″って呼ばれていたんだ。その謂われから考えても、元々盗らせる気はなかったんだろうが。…まぁ幕府崩壊時に、倒幕派に財産を没収されるのを嫌がった佐幕派の吉右衛門の考えそうな事さ…。だから一回盗ろうとして止めたんだよな
婆さん…」
コナンはそこまで言って、自分の後ろに立つ老婆に挑戦的な視線を向ける。
「いや………天下の大泥棒さんよ…!!」
---バッ!
コナンの言葉と同時に、老婆の変装を解いて、月明かりをバックに口元に笑みを浮かべた怪盗キッドが現れる。
「で…出た!!」
「わっ!!怪盗キッドだっ!!」
怪盗キッドの登場に子供達は嬉しそうに目を輝かせて声をあげるが、灰原は冷静に腕を組んで品定めするかのようにキッドの姿を見つめる。
「………。」
名前は、キッドの姿を小さな微笑みを浮かべてながら見つめていた。
「ご明察、よくわかったな」
キッドは、子供達からの歓喜の声に僅かに気を良くして口角をあげながらコナンにそう声をかけた。