「からくり屋敷」編
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card.186
「殺されてからまだそんなに時間は経ってないみたいだな…」
沼から遺体を引き上げたコナン達は、遺体の状況を確認していく。
「一体…誰が?」
「さぁな…お宝絡みだという事は確かだろうぜ?」
「あ…免許証があったわ。玉井照尚さん…42歳みたいね」
名前が免許証を確認していると、コナンもズボンの裾に何かが入っているのを見つける。
「それ…勾玉?」
「ああ…みてーだな」
名前とコナンは、コナンの持つ石を見ながらジッと考え込む。
「とにかく…まずは警察を呼びましょう」
灰原がパンッと手を叩いて、推理に熱中していたコナンに声をかける。
「そうだな…ここじゃ繋がらないだろうし、博士車に戻って警察に連絡して来てくれ!!」
「わ…わかった」
コナンの言葉に頷くと、阿笠は慌てて駆けていく。
(博士…ここから車まで結構距離があるのに、大変ね)
名前は、老体に鞭を打ち駆け出す博士を僅かに同情しながら見送る。
「さて…陽も暮れて来たし…俺達はテントの所まで戻るぞ」
「「「えーっ!?お宝探さないの?」」
コナンの提案に、分かりきっていた事だが、子供達からの大ブーイングが起きる。
「バーロー!!この人を殺した犯人が、まだ近くにいるかもしれないんだぞ!殺されてーのか!?」
(新一…正論ね)
しかし、それでもまだ不満そうな子供達。
「それに…この人だって、名前が分かっただけで何者かまだ分かってないのよ?」
「トレジャーハンターみたいね」
「…え?」
名前がコナンの意見に賛同して、テントに戻る方向に話を進めようとするが、それを遮るように灰原がポツリと呟く。
「彼の手帳は、日本各地に散らばった財宝の資料や地図で埋めつくされているわ」
いつの間にか見つけていた被害者の手帳を読みながら灰原が呟く。
「ちょっと哀…」
「……なかなか使える相棒と組めたし…」
「え…?」
名前が灰原に声をかけるが、灰原はそれを遮るように手帳の言葉を読み進めながらチラリと意味あり気な視線を名前を向ける。
「これなら…あの"気障なコソ泥″を出し抜ける」
「…え、」
「何度も煮え湯を飲まされたあの手品師を…」
名前は、灰原の言葉に目を見開き顎に手を当てて考えはじめる。
(確か、さっきの灯籠の一文に……"拳に溢れるる其の石を″…)
「まさか……巨大宝石(ビックジュエル)?」
名前は小さく呟いた後、チラリとコナンに目を向けると、コナンはニヤリと口元に笑みを浮かべている。
「どうやら…イグニッションキーは、もう回されたみたいね」
灰原はコナンの表情を見てクスリと微笑む。
--キャンプは名探偵も行くんだろ?だったら、俺の方もスムーズに仕事出来るだろうしさ--
(あー、快斗ごめんね。今回もそんなに簡単にはいかないみたい)
名前はコナンの浮かべる不敵な笑みを見ながら、ため息をつく。
「今回はまさに…"ダイヤモンドカットダイヤモンド″の始まりなのかしら?」
「…え?」
「なーにそれ?」
灰原が楽しそうに呟いた言葉に、歩美達は首を傾げる。
「ベルギーの諺よ…硬いダイヤを削るには、ダイヤを使わなきゃいけないでしょ?だから智者同士、強者同士の冷静で凄まじい戦いの事をそう言うのよ」
灰原の説明を聞いてもまだ首を傾げている元太達を尻目に、コナンが口を開く。
「バーロー、俺もあいつもダイヤモンドなんて大層なものじゃねーよ。アイツは真実をベールで覆い隠して、面白がってるただの泥棒で…俺はそのベールを剥ぎ取りたくてうずうずしている…ただの探偵さ」
「………。」
(なんか後半の台詞辺りから、私凄い睨まれてるんだけど)
名前は、コナンの視線に気付かない振りをして視線を逸らす。
「…あなた知ってたの?」
「…知ってるわけないじゃない。分かってたら新一が怖くて、とても一緒になんて来れないわよ」
灰原の言葉に、名前はチラリと子供達と話しているコナンに目を向ける。
「まぁ…雨も降ってきたし雨宿りがてらに屋敷に入ってみるか?」
「え…?じゃあ!!」
「お宝探すんですね!」
「…勘違いするなよ?博士がここに警察を呼んでくるまでの間だけだからな!
」
「「「やったー!!」」」
(楽しそうにしちゃって。新一ったら、さっきまでの反対ぶりはどうしたのよ)
名前は、子供達に負けじと楽しそうな笑みを浮かべる幼なじみの姿に小さくため息をつくと、嬉しそうに屋敷に入っていく子供達の後に続いて一歩踏み出した。