反応編
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「そういえば…蘭達が快斗に会ってみたいって言ってたわね」
寺井に入れてもらった紅茶を飲みながら、名前が思い出したように呟く。
「え、何で?」
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「蘭が私の様子がおかしかったって心配してくれてたから、一応彼氏が出来たって報告をしたの。あ、それ以上は話してないわよ」
「へー」
「そうしたら、蘭から園子にその話しが伝わったみたいで、園子から詳細を教えろ!っていう怒涛のメール攻撃の真っ最中よ」
名前は苦笑しながら、机の上に置いた携帯をチラリと見る。
「…あぁ、あの子か。何て言うか、元気な子だもんな」
「ふふ…良い子なんだけどねー」
名前は小さく笑いながら呟く。
「でも、安心してね。うまく誤魔化して快斗を直接紹介するのはナシにするから」
「ん、何でだよ?」
「あら、蘭達に名前や顔を知られるって事は必然的に哀や新一にも知られちゃうわよ?ただでさえ、私は新一に疑われてるんだもの…"黒羽快斗"という人間と彼等は直接接点を持たない方が安全だと思う」
「そうか…悪いな、何か余計に気使わせちまって」
「ううん。そもそも、彼氏が出来たって安易に教えちゃったのが良くなかったかもって反省中」
「いやいや!!それは、もうどんどん言いふらしていいから!!」
(余計な男避けにもなるし!)
「そう?快斗がそう言うならいいんだけど」
「でも残念だなぁ…名前の彼氏だ!!って、堂々とみんなに紹介してもらいてーよ」
快斗は小さくため息をついて、カウンターに肘をつく。
「ふふ…"怪盗キッド"でいる間は我慢しましょ」
名前は小さく笑いながら、子どものように頬を膨らます快斗を見つめていた。
「それでは名前様…またぜひいらしてください」
帰る間際、寺井は店の外まで出てきて見送ってくれる。
「いえ…こちらこそありがとうございました。あ、寺井さん…1つお願いがあるんですが」
「何でしょう?」
「…"様″っていうの止めていただけないですか?何だか気後れしちゃって」
「…そうですか。では、名前さんと呼ばせていただきます」
「はい、よろしくお願いします」
そう言って微笑む寺井に、名前も嬉しそうに頭を下げる。
そして、快斗と名前は並んで家路につく。
「快斗、結局夕方になっちゃったけど体調どう?」
「ん?平気だよ」
「それなら良かった」
「実は明日また仕事しに行くんだ。熱が出なくて良かったぜ」
「えー、それなのに出歩いてたの?…明日はどこに行くの?」
「ああ、明日は…」
--ピリピリ…
ふいに名前の携帯が鳴り響き、快斗は口をつぐむ。
「なーんか、こういうの多いよな…俺ら」
「そうね、いつもごめんね」
名前は鞄から携帯を取り出しながら謝る。確かに怪盗キッドと対峙している時から、こんな風に話が途切れてしまうことが多い。
「また名探偵か?」
「違うみたい、哀だわ。珍しいな…」
名前は珍しい相手に首を傾げながら、携帯の通話ボタンを押した。