反応編
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「快斗」
授業が終わり休み時間になると、
名前が身体をくるりと隣の席に向けて声をかける。
「どうした?」
「快斗、もしかして体調悪いんじゃない?」
名前は朝最初に快斗に会ったときに、青子に遮られて聞けなかった事を快斗に尋ねた。
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「何で?」
「…何となく?身体的特徴をあげれば、抱きつかれたときの体温とか、ちょっと潤んで見える瞳とか…」
「はは、さすが名探偵の幼なじみ。素晴らしい洞察力ですね」
「ふざけてないで!本当に大丈夫?」
「実はさ……」
最初は笑って誤魔化していた快斗だったが、心配そうに尋ねてくる名前に少し迷ったように視線をさ迷わせた後、名前の耳元に口を寄せてボソボソと呟く。
「えっ!泳いだの!?」
「しーっ!…仕方ないだろ?名探偵のせいで、あの船から逃げるには泳いで逃げるしかなかったんだからよ」
「え、その後にわざわざ家に来てくれたの?」
「はあ?そりゃ行くだろ」
あの日、快斗が怪盗キッドだと告げられた事で頭がいっぱいだった名前は、船室で別れたあとキッドがどうやって脱出したのかを聞くのもすっかり忘れていた。
今になってその時の逃走方法を聞いて、珍しく驚きの声をあげる。
「……それで風邪を?」
「いや、風邪ってほどでもねーよ。熱もないし。ただ何となく身体が怠いんだよ」
「そう…今日は授業は午前中だけだし、終わったら早く帰りましょう」
「あっ!そういや…今日、授業午前中だけだったな」
「うん、熱が出たりしたら困るし早く帰って休んで」
「…それだったら、ちょうどイイや。名前にちょっと会わせたい奴がいるんだよ。帰りに付き合って」
「快斗、今の話聞いてた?風邪気味なんだから大人しく帰って寝ましょうよ」
「イイから、イイから!俺、滅多に熱とか出ねーし!…だいたい名前と一緒だったら、風邪なんて吹き飛んじまうからよ!」
「……悪化してもしらないからね」
「そしたら手厚い看病頼みまーす」
ニヤリと笑う快斗に、名前は諦めたように小さくため息をついた。
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「どうやら…朝のあの話は快斗の夢物語じゃなかったようだな」
林が大袈裟にため息をつきながら呟く。
「ああ…まさか、あの快斗が名前ちゃんを落とすとはな」
「…朝の快斗君のニヤケ顔ったら凄かったもん。相当嬉しいのね」
「青子は名前ちゃんが幸せなら、良いんだけどね~」
授業が終わり向かい合って話す名前と快斗の様子を見ながら、青子達は思い思いの感想を口にする。しかし、楽しそうに微笑みを浮かべながら話す二人の姿を、結局は嬉しそうに見つめるのだった。