反応編
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「名前ちゃん、おはよう!!」
教室に入ると、既に名前の席の近くでは青子や林達がワイワイと盛り上がっているのが視界に入り、名前は小さく微笑む。
そんな中、名前に気付いた青子がいつもの笑顔で声をかけた。
card.177
「名前ちゃん、この前言ってた船上パーティーどうだった?」
名前は席につくと、恵子は目を輝かせて尋ねてくる。
「楽しかったわよ。料理も美味しかったし…でも、途中で予告通りキッドが来たから大騒ぎだったけどね」
「もぉ!!青子もお父さんに聞いたよ!あの泥棒ったら、パーティーを台なしにするなんて本当最低ねっ!」
「あはは、中森警部も大変そうだったもんね」
いつもの如く怪盗キッドに対して、プリプリと怒っている青子に名前は苦笑する。
「名前ちゃーん!!おっはよーう!」
「…っわ、」
そんな会話をしていると、大きな挨拶と共に突然背後からガバリと抱きつかれて、名前は驚いて声を上げる。
「快斗か…驚かせないでよ」
「"おはよう″は?」
「…おはよう、快斗」
名前の言葉を無視して、わざとらしく覗き込んでくる快斗に、名前は仕方なく挨拶を返す。
しかし、ふと違和感を感じてそのままジッと快斗を見つめる。
「…名前ちゃん?」
「快斗…なんか変」
「え?」
「もしかして…」
「……名前ちゃん!!快斗が変なのはいつもの事よ!それより快斗も早く名前ちゃんから離れなさいよ!!」
何かを言おうとした名前だったが、その言葉は怒りの滲んだ青子の声によって遮られる。
「えー、何で?」
しかし、快斗はキョトンと首を傾げて尋ねる。
「何で?…じゃないわよ!!」
「名前ちゃんも嫌なら遠慮なく言った方が良いぜ?」
青子の隣にいた桜井に心配そうにそう言われた名前は、困ったように曖昧に微笑む。
「何言ってんだよ、嫌なわけねーよ。…なあ?名前?」
「まあ、そうなんだけど…学校だし、さすがに恥ずかしいかな」
嫌だとは言わずに、窘めるように名前が告げると、快斗は一応納得したように名前から離れる。しかし、その表情はわざとらしく緩んでいてニヤニヤとしながら名前の隣の席に腰をおろす。
「「…………。」」
そんな2人を見て、思わず顔を見合わせる青子達。
「な…なぁ?お前ら何か距離感おかしくない?」
林が控えめに、恐る恐るというように口を開く。
「ああ、だって…名前、俺の"彼女"だから」
名前の隣でニヤリと笑いながら、青子達に向かってわざとらしく宣言するように答える快斗。
(快斗、朝から変だと思ったけど…わざとね、これ)
名前は、半ば呆れたようにそんな快斗を見つめている。
「なっ…何で!?何で!?」
「えっ!?いつから?」
「だって、お前ら先週まで普通だったよな!?」
「名前ちゃん!!本当に快斗でいいの!?無理矢理そう言わされてるんじゃないのっ?」
驚いた4人が一斉に思い思いの質問をぶつけてくるが、そんな友人達を快斗はしてやったりと言うように嬉しそうに眺めている。
(快斗……絶対楽しんでるわね)
名前は青子や恵子の問いに、簡単に答えを返しながら、隣でにやにやしている快斗にジト目を向ける。
「おーい、お前ら授業始めるぞ」
しかし、青子達の納得のいく答えが出る前に担任である中村の一言で、名前達の雑談は一時中断して授業が始まったのだった。