「漆黒の星」編
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「では…ここで皆さんに私の奇術をご覧に入れましょう。えー、まず最初にカードを使った簡単な奇術から!」
真田は血糊のついた服を着替えて舞台に立つと、カードを切り始めた。
card.164
「ちょい待ち!俺は昔から疑い深いたちなんでね…そのカード俺に切らせてくれないか?」
「ええ…構いませんよ。何なら皆さんもどうですか?」
三船の提案をきっかけに、舞台の近くにいた数人の乗客達が順番にトランプを切っていく。
(くそっ…どいつもこいつも怪しく見えてきやがる)
--あの黒真珠に最も相応しい方にお預けしてあります--
(せめてあの奥さんの言葉の意味が分かれば…)
コナンはカードを切る乗客達を見ながら顎に手を当てる。
--バサッ…
「あっ…」
トランプを切っていた乗客の1人が、バサッとカードを床に落としてしまう。床に落ちたカードを近くにいた園子と蘭はしゃがんで拾い集める。
「す…すみません」
「いえいえ…構いませんよ。カードを落としたくらいじゃ私のツキは落ちませんから!」
(え…?)
コナンは真田の言った言葉にピクリと反応し、ある物を取りに受付に足を向ける。
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「何してるのよ?」
いつの間にか名前の足の影に隠れるようにして、小さな冊子をパラパラと真剣な表情でめくるコナン。名前は軽くしゃがんでそんなコナンに尋ねる。
「…乗客リストだ。さっきの真田さんの言葉を聞いてピンときたんだよ…」
「………?」
「…それよりオメーなんか顔色悪くねーか?大丈夫かよ?」
「え?ああ、人が多いから疲れたのかしら」
「ったく…あんま無理すんなよ!」
コナンはそれだけ言うと、再び乗客リストに目を戻す。
「……。」
(さっき真田さん何か言ってたかしら)
コナンの行動の目的が分からず小さく首を傾げながら、名前は奇術を披露する真田に目を向ける。
「さぁ、お好きなカードを!」
名前が目を向けた先では、奇術も終盤。ちょうど真田が持つカードを蘭と園子がワクワクした様子で引こうとしていた。
「右!右!」
園子の言葉通りに蘭は右端のトランプをスッと抜く。
「……え?」
蘭と園子は、期待に満ちた目で抜いたカードを裏返すが裏返した途端に目を丸くする。
「か…怪盗キッド!?」
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クレオパトラに魅力された
シーザーの如く
私はもう貴方の側に…
怪盗キッド
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真田が用意したはずのトランプの中から、怪盗キッドのメッセージカードが出て来て乗客達は目を丸くする。
(え?…今のタイミングでカードをすり替える事が出来たのって…)
名前は、盛り上がる乗客の中である人物をジッと見つめていた。