「漆黒の星」編
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「あの、三船さん…どうして黒真珠をハンカチで?」
名前は、ハンカチで宝石を包みながら胸元に着けている三船に向かって、首を傾げて尋ねた。
card.161
「ん?ああ…お前みたいなお嬢ちゃんは知らねェか」
「…失礼ですね」
「こういう真珠はな、主成分は炭酸カルシウムで酸に侵されやすいんだ」
「……なるほど。指の脂で汚れたりしたら表面が酸化されてしまって光沢が失われてしまうのね」
名前は、自分の胸元の真珠に軽く視線を向けながら頷く。
(……となると、何も知らない一般客に本物の"漆黒の星″を渡すとは考えにくいわね)
「おっ!よく分かるじゃーか」
三船は、思っていたよりも話が通じる相手に気を良くしたのかニヤリと笑った。
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「…にしても蘭の奴遅いな」
名前が三船と2人で話している頃、少し離れた場所で小五郎がなかなか戻って来ない蘭を気にしてくるりと辺りを見渡す。
「きっとどこかで迷ってるのよ…蘭って結構方向音痴だから…」
「…僕ちょっと……探して来ようかな」
園子は心配ないだろうと小五郎に返すが、コナンは眉を寄せて小さく呟く。
「どーせ方向音痴よ!」
「あ…蘭、おかえり」
すると、そこにちょうど蘭が戻ってきて、園子は自分の発言が聞かれてしまっていた事に気まずそうな顔をする。
「でも広い船だから本当に少し迷っちゃったわ。あれ…名前は?」
「名前なら…ほら、あそこで何だか仲良さそうに話してるわよ」
園子が指差した方向にいる名前とその隣にいる三船を見て、蘭は「ふぅん…」と、小さく呟く。
「…ま、お嬢ちゃんが真珠が似合うような歳になったら、俺が買ってやっても良いぜ?」
「そんな高価なもの結構です。…それより、お嬢ちゃんってやめてくれません?」
「クックック…名前なんて言うんだっけ?」
「名字…」
「名前!!」
名前を名乗ろうとした所で後ろで名前を呼ばれて振り返ると、すぐそばまで蘭が来ている。
「蘭…どうしたの?」
「名前の事、向こうで園子が呼んでたわよ」
「え、何かしら…三船さんお話中なのにすいません」
「…ああ」
名前は小さく三船に頭を下げると、園子達の方に戻って行く。
蘭はそんな名前の背中を笑顔で見送ると、くるりと振り返る。
「………?」
蘭の行動に三船は不審気に首を傾げるが、そんな三船を蘭はジッと睨みつけるようにしながら口を開いた。
名前は、ハンカチで宝石を包みながら胸元に着けている三船に向かって、首を傾げて尋ねた。
card.161
「ん?ああ…お前みたいなお嬢ちゃんは知らねェか」
「…失礼ですね」
「こういう真珠はな、主成分は炭酸カルシウムで酸に侵されやすいんだ」
「……なるほど。指の脂で汚れたりしたら表面が酸化されてしまって光沢が失われてしまうのね」
名前は、自分の胸元の真珠に軽く視線を向けながら頷く。
(……となると、何も知らない一般客に本物の"漆黒の星″を渡すとは考えにくいわね)
「おっ!よく分かるじゃーか」
三船は、思っていたよりも話が通じる相手に気を良くしたのかニヤリと笑った。
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「…にしても蘭の奴遅いな」
名前が三船と2人で話している頃、少し離れた場所で小五郎がなかなか戻って来ない蘭を気にしてくるりと辺りを見渡す。
「きっとどこかで迷ってるのよ…蘭って結構方向音痴だから…」
「…僕ちょっと……探して来ようかな」
園子は心配ないだろうと小五郎に返すが、コナンは眉を寄せて小さく呟く。
「どーせ方向音痴よ!」
「あ…蘭、おかえり」
すると、そこにちょうど蘭が戻ってきて、園子は自分の発言が聞かれてしまっていた事に気まずそうな顔をする。
「でも広い船だから本当に少し迷っちゃったわ。あれ…名前は?」
「名前なら…ほら、あそこで何だか仲良さそうに話してるわよ」
園子が指差した方向にいる名前とその隣にいる三船を見て、蘭は「ふぅん…」と、小さく呟く。
「…ま、お嬢ちゃんが真珠が似合うような歳になったら、俺が買ってやっても良いぜ?」
「そんな高価なもの結構です。…それより、お嬢ちゃんってやめてくれません?」
「クックック…名前なんて言うんだっけ?」
「名字…」
「名前!!」
名前を名乗ろうとした所で後ろで名前を呼ばれて振り返ると、すぐそばまで蘭が来ている。
「蘭…どうしたの?」
「名前の事、向こうで園子が呼んでたわよ」
「え、何かしら…三船さんお話中なのにすいません」
「…ああ」
名前は小さく三船に頭を下げると、園子達の方に戻って行く。
蘭はそんな名前の背中を笑顔で見送ると、くるりと振り返る。
「………?」
蘭の行動に三船は不審気に首を傾げるが、そんな三船を蘭はジッと睨みつけるようにしながら口を開いた。