共有編
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--名前!危ねェ!--
正直に言えば、まだどこかで少し引っ掛かっている。
card.156
「哀、今日博士は?」
「学会で九州。明日まで留守よ」
「新一は来る予定ある?」
「さぁ?確か工藤君は幼なじみの彼女達とどこかに行くって聞いたけど」
「そう…」
名前の正面のソファに座る灰原は、雑誌からチラリと名前に視線を向けてため息をつく。
「ったく……心配しなくても、今日は見ての通りここには私しかいないわよ。……何か聞きたい事あるんでしょ?」
ここは阿笠邸。狙って来たわけじゃないが、どうやら博士も留守。新一も訪ねて来る予定はないというならば、灰原と2人きりで話せる数少ないチャンスである。
「あの時…」
「あの時?」
「横須賀のお城にいたメンバーの中に、キッドっていたのかしら?」
「……。」
名前の問いに灰原は僅かに目を見開く。
「…そんなの工藤君に聞けば良いじゃない。彼…あの後会ったみたいよ?怪盗の彼に」
「……それは知ってるけど、新一に聞きにくいから、あなたに聞いてるのよ。何か聞いてないの?」
名前は小さくため息をつく。
あの日あんなに新一の事をコナンだと疑っていた蘭が、次の日にはスッカリいつも通りに戻っていたため、どんな方法で誤魔化したのだと新一に聞いてみた。すると、怪盗キッドがわざわざ新一の姿に化けて蘭の前に現れたのだと聞いた。その事には、さすがの名前もそれには驚いて目を丸くしたのだった。
「ふふ…そんな事聞くって事は、心あたりがあるんでしょ?」
「……まぁね」
あの炎に包まれた城で、青蘭に銃を向けられた時に聞いた声は、怪盗キッド…というより、快斗のものだったと思う。
しかし、あの場にいたのは青蘭を除けば自分を含め3人。あの声が、自分の幻聴でないとしたら恐らくあの声の主は……。
「…はぁ」
名前は、そこまで考えると大きくため息をつく。
「…その様子だと、変装してる彼とは思わずに本人の前で聞かれたくない事でも言ったんでしょ?」
「……哀のその鋭さがたまに憎い」
名前の脳裏には、あの甲板での白鳥との会話が蘇り、もう1度顔を覆って大きくため息をつく。
「それにしても…」
灰原がパタンと読んでいた雑誌を閉じて口を開くため、名前は灰原に目を向ける。
「…あの時の死にそうな顔をしていたあなたはどこに行ったのかしらね?」
「…ご心配おかけしました」
「ふふ…問題事が解決したなら何よりね」
灰原が小さく微笑む。
その言葉を聞いて、名前は困ったように僅かに眉を潜める。
「あら…違うの?」
名前は少し考えた後に、軽く座り直して迷いながらも口を開いた。
正直に言えば、まだどこかで少し引っ掛かっている。
card.156
「哀、今日博士は?」
「学会で九州。明日まで留守よ」
「新一は来る予定ある?」
「さぁ?確か工藤君は幼なじみの彼女達とどこかに行くって聞いたけど」
「そう…」
名前の正面のソファに座る灰原は、雑誌からチラリと名前に視線を向けてため息をつく。
「ったく……心配しなくても、今日は見ての通りここには私しかいないわよ。……何か聞きたい事あるんでしょ?」
ここは阿笠邸。狙って来たわけじゃないが、どうやら博士も留守。新一も訪ねて来る予定はないというならば、灰原と2人きりで話せる数少ないチャンスである。
「あの時…」
「あの時?」
「横須賀のお城にいたメンバーの中に、キッドっていたのかしら?」
「……。」
名前の問いに灰原は僅かに目を見開く。
「…そんなの工藤君に聞けば良いじゃない。彼…あの後会ったみたいよ?怪盗の彼に」
「……それは知ってるけど、新一に聞きにくいから、あなたに聞いてるのよ。何か聞いてないの?」
名前は小さくため息をつく。
あの日あんなに新一の事をコナンだと疑っていた蘭が、次の日にはスッカリいつも通りに戻っていたため、どんな方法で誤魔化したのだと新一に聞いてみた。すると、怪盗キッドがわざわざ新一の姿に化けて蘭の前に現れたのだと聞いた。その事には、さすがの名前もそれには驚いて目を丸くしたのだった。
「ふふ…そんな事聞くって事は、心あたりがあるんでしょ?」
「……まぁね」
あの炎に包まれた城で、青蘭に銃を向けられた時に聞いた声は、怪盗キッド…というより、快斗のものだったと思う。
しかし、あの場にいたのは青蘭を除けば自分を含め3人。あの声が、自分の幻聴でないとしたら恐らくあの声の主は……。
「…はぁ」
名前は、そこまで考えると大きくため息をつく。
「…その様子だと、変装してる彼とは思わずに本人の前で聞かれたくない事でも言ったんでしょ?」
「……哀のその鋭さがたまに憎い」
名前の脳裏には、あの甲板での白鳥との会話が蘇り、もう1度顔を覆って大きくため息をつく。
「それにしても…」
灰原がパタンと読んでいた雑誌を閉じて口を開くため、名前は灰原に目を向ける。
「…あの時の死にそうな顔をしていたあなたはどこに行ったのかしらね?」
「…ご心配おかけしました」
「ふふ…問題事が解決したなら何よりね」
灰原が小さく微笑む。
その言葉を聞いて、名前は困ったように僅かに眉を潜める。
「あら…違うの?」
名前は少し考えた後に、軽く座り直して迷いながらも口を開いた。