「世紀末の魔術師」編
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名前の視線の先には、鮮やかな町並みが流れる。
--…名前!危ねェ!--
(あの時の…あの声は…)
「…名前着いたぞ?」
運転席から小五郎に声をかけられ、名前はハッと窓から視線を逸らす。車の先に目を向けると、見知った自分のマンションが目に入った。
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「…ここまでありがとうございます。おじさん達も気をつけてね」
車から降りた名前は、窓から車内を覗き込み笑顔で微笑む。
「ああ、いろいろお疲れさん。ゆっくり休めよ」
小五郎が、労りの言葉と共に名前に軽く手を挙げる。名前は、頷きながらチラリと後部座席に座るコナンと蘭に目を向ける。
(こちらも…いろいろ問題ありそうだけど……)
名前は僅かにため息をついた後に蘭にも軽く微笑んで手を振る。蘭は、ぎこちない笑みを浮かべながら名前に手を振り返す。
「………。」
コナンの視線を感じながらも、名前はそのままバタンと車の扉を閉める。
車は軽いエンジン音をたてながら名前の前から走り去っていく。
(新一…うまく誤魔化せるかしら)
名前は、心の中で蘭とコナンの事を案じつつ、しばらく車を見送った後にマンションの中に入る。
---ガチャリ
部屋の扉を開けて、暗い部屋に入る。電気はつけずに、名前はポンッと鞄をソファに置くと、そのままリビングのカーテンを開ける。
「……。」
空を見上げると、どんよりとした雲の隙間から満月が浮かんでいて、淡い月明かりが名前の暗い室内を照らす。
名前は窓辺の床に座り込んで月を見上げる。
「………。」
名前の頬には、スッと一筋の涙が流れた。