「世紀末の魔術師」編
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「ふー助かった…」
一方、小五郎達は阿笠が子供達を助けるために持ってきた縄梯子を使って光彦達が落ちた塔の穴から地上に脱出していた。
「……た、大変です!!お城が燃えています!!」
「えっ!?」
地上に出た光彦が燃え盛る炎に気付いて声をあげる。その声で炎に気が付いた小五郎達は急いで塔から城の入口に向かって駆け出した。
card.147
「……ふぅ、今回はまさに危機一髪でしたね」
炎に城内が完全に包まれる直前に何とか城外に脱出した3人。
白鳥は、未だに気を失っている青蘭を車の後部座席に乗せながら小さく息をつく。
「名前さんも…コナン君も気分は悪くありませんか?」
「うん…僕は平気だよ。名前姉ちゃんも大丈夫だと思う」
コナンは自分達から少し離れた場所で、城壁にもたれて座りながら炎に包まれていく城を見あげている名前に目を向ける。
「…そうですか、」
白鳥はそう呟きながら、名前のその姿を見つめる。
「………。」
コナンは、そんな白鳥に鋭い視線を向けた後に口を開く。
「ねえ…白鳥刑事」
「…!何だい?」
コナンに名前を呼ばれた白鳥は、ハッと我に返って名前からコナンに視線を戻す。
「小五郎のおじさん達には僕から説明しておくからさ……白鳥刑事は青蘭さんを警察に連れていってよ!」
「…え?」
「青蘭さん、気を失ってるみたいだし…急いだ方が良いんじゃない?」
「………。」
「"名前姉ちゃん″の事は僕に任せて…ね?」
「……。」
(……くそっ、気付かれない方が無理だったか)
「白鳥刑事?」
「…ふ、そうですね。では後の事は"コナン君″にお任せするよ」
白鳥は小さく笑うと、チラリと名前に目を向けて、しばらく名前の姿を見つめた後に運転席に乗り込んだ。
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「コ…コナン君…」
「名前…白鳥刑事…」
塔から出てきた一同は、燃え盛る炎に包まれる城を見上げて呆然と立ち尽くす。
--ゴォォォ…
(…新一)
蘭は城を見つめながら新一の顔を思い浮かべる。
「馬鹿…」
灰原は哀しそうに小さく呟き炎を見つめている。
「コナンくーんっ!!」
「…あんだよ、うるせーな!!」
歩美が目に涙を浮かべて城に向かって叫ぶと、後ろから聞き覚えのある声が返事を返してきて、歩美達は目を見開いて振り返る。
「コ…コナン君!?」
そこには阿笠のビートルに寄り掛かったコナンの姿。
「良かった!無事だったんだね!」
「…このエッグ、白鳥刑事がスコーピオンから取り返してくれたよ」
「白鳥が!?で、スコーピオンはどうしたんだ?」
「逮捕して車で連行して行ったよ。スコーピオンの"青蘭″さんをね」
「なっっ、何ーっ!?」
小五郎はコナンの言葉に驚きの声をあげる。
「青蘭さんがスコーピオンだと!?…あの美しい青蘭さんがスコーピオンだったなんて…」
肩を落とす小五郎を尻目に、コナンは夏美に近付きエッグを手渡す。
「はい、これ夏美さんに渡してくれって…」
「ありがとう」
---ウーウー
そんな会話をしていると、山道を数台の消防車がのぼってくる。
「…夏美さん、申し訳ありませんな。こんな事になってしまって」
「いえ…お城は燃えましたけど、私には曾祖父が作った大事なエッグが残ってます。それに地下室は無事だと思いますし…」
「はい…落ち着きましたら、曾祖母様の御遺骨を喜市様と一緒のお墓に埋葬いたしましょう」
執事の沢部がそう言いながら優しい微笑みを夏美に向ける。夏美は僅かに目を潤ませながら燃える城を見つめ続けた。